コルナゴ部長の阿蘇天空の旅

阿蘇くじゅう国立公園に位置する阿蘇内牧温泉からロードバイクで走るの魅力を紹介します。

阿蘇への感謝の証

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発酵学者であり文筆家の小泉武夫さんの「食あれば楽あり」より

『このところ、牛肉というと「あか牛」の味に魅力にひきつけられている。多くの人が黒毛和牛を賞味している中、勿論我が輩もそうではあったが、3年ほど前に熊本県に行ってあか牛のステーキを食べた時、「これは俺にあっている味だなあ」と思い、その風味に魅了されてからは、時々取り寄せて嬉しく涎ピュルピュルしている。

「あか牛」は名前のとおり、夕陽を思わせる赤褐色の美しい色の和牛で、熊本県の特産。和牛四種のうちのひとつで褐色和牛である。この牛の肉の何が我が輩を魅了しているかというと、何と言っても肉質である。淡い紅色の肉が目にも鮮やかで、よく見ると黒毛和牛に比べて脂肪分が少なく、とてもヘルシーな感じがする。60才を過ぎたころから、脂肪の多い牛肉はもうそろそろ卒業かな、と思うようになってからの出合いなので、今はとても重宝している。

中略・・・・

先ずナイフで肉の中央部を切ると、外側は焼き色だけれども、中は怪しいほどの桃紅色のレア状態。そこにちょいと醤油を滴らし(我が輩はステーキを醤油で食べるのが大好き)、さては最初のひと口。少し厚めに切り分けたステーキをぎっつと噛むと、そこからジュルルとうま汁が湧き出してきて、さらに噛むとジュルルジュルルと続けて出てきて、口の中はそのうま汁で溢れんばかりとなった。鼻孔からは、焼かれた肉から食欲をそそる野性的な香ばしさと、かすかなコショウと醤油の匂いが抜けてきて、その香味の全体が、肉の真味とはこれだ、と教えてくれるほどのものであった。

どうしてもこんなに味が濃いのかさっぱりした味なのか知りたくて、ネットで調べてみてわかった。それは、牛の本来の食べものである牧草やそれを発酵したサイレージをたっぷり食べているからで、和牛本来の赤身のうまさがギュと肉に詰まっているからだ。道理で、年を重ねた我が輩でも、肉のうま味の真髄を感づくことができた筈だ。』

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サイレージとは、昨日のブログのトップの写真、根子岳の下の白い重ねた袋がそうです。ロールベールラップサイロといって機械で牧草を刈りそのままラップし、その中で発酵して袋はパンパンは膨れ上がり飼料となります。
この小泉さんのあか牛へのこだわり、商品紹介や広告に使ったらいいんじゃないですか。脂肪まみれの霜降り肉から肉本来のストレートな味のあか牛を食べてみよう思いますもの、どんな人に向いているのか非常にターゲットが絞られていてこれ読んだら一度食べたくなるとっておきの紹介ですよね。


さて、あか牛の応援は続きます。熊本県知事の写真入りのニュース。6月1日に熊本県や畜産関係者が、あか牛の普及をめざす財団法人を設立したと報じられました。霜降り肉人気を受け、脂肪の混ざり具合を基準に牛肉を評価しているため、黒毛和牛に比べあか毛和牛の評価が低く価格も低迷し生産数も減少しており、その対策として独自の評価基準に基づく認証制度を設け認知度の低いあか毛和牛のブランド力を高めることで普及を図る目的としています。

活発な活動を影ながら応援したいです!














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さて、牧草が良質の牛を作ることがわかったと思いますが、この牧草(ススキ・ネザサ・トダシバ)を得るために野焼きをしなくてはなりません。野焼きは草の芽吹きを促して牛に害を与えるダニの駆除するもので放牧農家にとってとても大事な農作業です。

3月中旬に行われるこの野焼きは人の命を奪う危険なものでもあります。牧野組合員総出で長年の経験のもとに慎重に火を入れますが、突然の風が火を呼び、火が風を起して猛火になる危険と隣り合わせのものです。野焼きはあらかじめ延焼を防ぐため草を刈った防火線、阿蘇ではそれを「輪地切り」(わちきり)といい、野焼きする前年の夏から秋に行われ、草原と森林の境にある草を幅6~10m刈り払い数日後枯れた草を焼いて防火線を完成させます。この作業がまだ暑い時期の強い日差しのもとでの重労働で加えて急斜面での作業なので難航するものです。しかし、自然の驚異はそれを突破することもあり、被害は地元民で負わなくてはなりません。放牧農家の減少、野焼きの重労働とそのリスクによって年々草原の面積は減少し、ボランティアの支えなしには成り立たない状況です。(支援ボランティアの参加は09年度延べ2000人、ただ650人の会員の6割が60歳以上でボランティアも高齢化している)













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阿蘇の草原は自然のままに放任しておくと次第に森林に覆われてしまいます。火山灰土壌の阿蘇の植生から考えると「豊かな自然の草原」というのは現実にはありえません。そこで人々は自然本来の植物相の変化を野焼きにおいてくい止め続けてきました。危険な野焼きを行わないと農業が守れない。自分達の生きていくための糧が得られなかったのです。

しかし、草原の阿蘇は危機に瀕しています。雑木が生い茂る風景は阿蘇ではありません。
農家やボランティアだけではすでに維持してゆくことは不可能であり、それを守るためにも農業以外に目を向ければ阿蘇は九州の水がめといわれ、筑後川、白川など1級河川の減流域にあたりその恩恵を受ける都市住民も何らかの支援に関わることができないか、草原を国の重要文化的景観に選定し、世界遺産への登録を促すことも必要であると地元紙にも謳われています。












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私達も阿蘇から恩恵を受けています。

天空の峠ラピュタ、ミルクロード、パノラマライン、吉田線、箱石峠、日ノ尾峠、地蔵峠、俵山峠・・・・

いくつもの草原の阿蘇路も野焼きがあってからこそ私たちサイクリストの憧れの地なのです。ならば年々減少する野焼きの手伝いをすることも阿蘇への感謝の証として考える時期なのではないかと思います。来年3月中旬、火の山と化する阿蘇へ何がしかの行動を興したいものです。


参考・引用 草原と人々の営み(一の宮町史) 熊本日日新聞 (草原が危ない)
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  1. 2011/06/03(金) 00:07:31|
  2. こだわりの逸品
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阿蘇内牧温泉の温泉旅館から欧州の山岳コースを彷彿させる阿蘇サイクリングの愉しみ方を紹介しています。

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