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コルナゴ部長の阿蘇天空の旅

Trip Tips in ASO Big Sky

ラピュタの道復活の第一歩

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熊本地震以降、通行止めになっているラピュタの道(市道狩尾幹線 延長5.8km)の麓にある長寿ヶ丘公苑において、11月5日(火曜日)清掃ボランティアの依頼が長寿ヵ丘公苑管理組合から道の駅阿蘇にあった。長寿ヶ丘公苑は地元の方が芝生広場にあるトイレの清掃や道路の除草作業など維持管理されており、震災前は桜やツツジの季節になると地区の人々で賑わい、大切な憩の場となっていた。





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ラピュタの道はもともと人や家畜が通るだけだった道を、昭和40年代に「原野を管理する道路」として現在の道幅に拡張され、放牧の牛や牧草を運ぶ農道として主に使われていた。よって一般車両の通行は想定されておらず、断崖絶壁を縫うように通り、舗装は荒れ、落石による小石が散らばり、陥没箇所も多くガードレールやカーブミラーは限定されていた。一帯の山は毎年行われる野焼きよって樹木が無く見晴らし良い独特な景観をもたらし、バイクや自転車乗りにとどまらず観光客にも特別な道となっていた。





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しかし、熊本地震とその後の大雨で大きな被害を受け、道の復旧には100億を超える事業となり阿蘇市は断念せざるを得なかった。同路線沿いの長寿ヶ丘公苑付近で起きた大規模な山腹崩壊については熊本県が復旧し、県道149号から同公苑までの2kmの道は今年の春開通した。






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地区の方の憩の場の再開と、自転車乗りのラピュタの道の一部開通は、目的は違っても管理する地元の方と一緒に作業して皆さんと触れ合うことはとても大切なことだ。以前より言ってきたが、サイクルツーリズムの第一歩はサイクルラックを設置するだけではなく、地域の人を巻き込んでいくことであり、自転車乗りが風景の一部になる地域作りを目指すことがサイクリストを歓迎する証だと思っている。
今回の清掃ボランティアの依頼はその第一歩であり、毎月2回開催するモニターライドとして参加することで募集を行った。しかし、3連休明けの平日ということもあってか参加者はなかったが、自転車乗りとしては私と下城さんと井上さんのいつもガイドする3人と、一般として道の駅阿蘇の理事長他スタッフで長寿ヵ丘公苑の清掃作業に参加した。






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7時30分、道の駅阿蘇のサイクルラックに集合し9km先の長寿ヵ丘公苑へ自走した。
県道149号の長寿ヶ丘公苑の入口の看板から公苑までの2kmを上り始めた。懐かしのラピュタの道、3年8ヶ月振りだ。上の小屋カラオケ居酒屋の看板もある。最初の曲がり角で記憶が蘇った。そこから道を思い出しながら上った。同じ風景が続く杉林だが、カーブになると見覚えがある道の荒れや曲がった先の景色が懐かしい。なんかグッとくる。先が見たくて、先へ、先へ急いだ。





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8時に長寿ヶ丘公苑に到着。
地元の方は作業準備に取り掛かれていた。道の駅のスタッフが持ってきてくれたスニーカーに履き替えジャージの上から作業服を着る。長寿ヵ丘公苑管理組合長さんの挨拶のあと道の駅阿蘇の理事長から地区の皆さんに紹介してもらった。わたしたちはツツジに覆い被さったかずら取りの作業をすることになった。清掃作業のあと管理組合の方から許可をいただき工事関係者以外立入禁止の長寿ヶ丘公苑の上の状況を歩いて見学することが出来た。今回は参加者がなかったこともあって作業後は下城さんと新たなルートの試走をした。なので以後は長寿ヵ丘公苑の上から見たラピュタの道の現状と、今後の展望ついての夢と希望をやや興奮気味に。





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長寿ヶ丘公苑からツツジ公園に行く階段を上ってラピュタの道に行った。道に出ると両脇は伸びきった雑草で道幅は半分ほどになっていた。見渡すと昔と変わらない山肌を露わにした風景が広がり懐かしい景色が蘇った。爆撃の後のような焦土になった野焼きの後、墨色の大地に可憐なキスミレの黄色い花、若草に覆われ道端に山野草咲く穏やかな春、峠の中腹で咲く1本桜の別世界、梅雨の晴れ間の草の匂い、爽やかな風に体毛のような草踊る夏、牧草を忙しく運ぶ農耕車両が往来する晴天の秋、どんよりとした曇り空と枯れ野のひっそりとした灰色の冬、そんな何度も走った峠道の記憶だった。





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近くには巨大な落石が散々していた。舗装も落石により剥がれ、見上げると真っ青の空に浮かび上る白っぽい断崖が今にも崩れ落ちそうでゾッとした。そこはラピュタの象徴的な“あの突き出た半島”の西側だった。半島を回る道はかろうじて残り、ミルクロード側から見ると半島全体としては一番崩壊していないようだったが、下から見るとよく持ち堪えたと思えるほど崩れていた。





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道を下ると激しい崖崩れの工事現場があった。





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県による知山工事だろうか、300近くの牧草を包むサイレージほどの大きさの土嚢で壁面が覆われていた。見上げると半島の南側、阿蘇山側の崖崩れの部分だった。





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ここの工事は今にも落ちそうな崖の巨石にそれぞれ動きを調べるセンサーが設置され、見張り台から落石を監視しながら工事が進められていると区長さんからお聞きした。ラピュタの道を復旧する工事費100億はこの現場を見たら「確かに」と思えた。

昔のようにラピュタの道を「下から上って頂上へ行く」ということは、半島部分の激しい崩壊のために無理だろう。ミルクロード沿いに数十台の駐車スペースを確保できれば上から眺めることは可能だと思うが、体験型観光としては単なる展望所だけではなく途中まででも自転車や徒歩で上ることに価値があると思う。

今回、行ってみて感じたことは、長寿ヵ丘公苑まででも、自転車で行けばラピュタの片鱗に触れることが出来るということだった。そして、ここの少し上のツツジ公園まで行けるようになったら、阿蘇五岳の堂々のロケーションと熊本地震による凄まじい崖崩れの跡という、『絶景と壮絶』の両方が見られる「阿蘇の震災メモリアルスポット」になるのではないかと思った。

阿蘇は車が多い訳でもなく煽ったりするドライバーも聞いたことがない。言わば車と自転車が共存できる環境にあるため、あえて自転車専用道路やブルーラインなどのサイクルツーリズムを念頭にした整備事業は必要なく、それに代わるもののひとつとして、阿蘇らしいラピュタの道を路面はそのままでいいので途中まででも行けるようにすることではないかと思う。
いろんなところでサイクルスポーツに関する取り組みが行われているが、私たち阿蘇サイクリングを楽しむ者にとっては”ラピュタの道復活の道”こそが一番の願いである。すでにその第一歩として長寿ヵ丘公苑までは開通している。そこにはサイクルラックがすでに設置され地区のみなさんにもサイクリストが歓迎されている証があり一緒に作業をして温かい視線も感じた。荒々しい個性的なラピュタの道はあらゆる可能性を秘めているとツツジ公園に立ち感じた。






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今後モニターライドをする際にこの2kmのコースを走って皆さんの感想を聞きたいと思っている。そして、地区の方に会ったら挨拶しながらラピュタの風景の一部になっていくことを目指したいものだ。
最後に2013年に撮影したツツジ公園の写真を紹介しよう。
いつの日かこの地が、このような景色の中で、地元の方と観光の方と、そして自転車の方みんなで楽しめる阿蘇の震災メモリアルスポットになればと思う。






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最初に見た工事現場を同じところから





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FLUCTUAT NEC MERGITUR 
 --- 漂えど沈まず ---



  1. 2019/11/18(月) 07:45:15|
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自己紹介
2019年6月1日より道の駅阿蘇サイクルアドバイザーに就任しました。
菊池温泉と2012年から阿蘇内牧温泉で旅館業の傍ら、2007年からロードバイクとブログを同時に始めて多くの自転車乗りの方と接することができました。この経験を生かし阿蘇で楽しむサイクルスポーツの魅力を発信しています。

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