
5月21日、羽田空港のルフトハンザ受付カウンター前で待ち合わせていた岐阜から新幹線と電車で輪行の大久保さんは外国人にまぎれてすでに来られていた。輪行袋はわたしと同じシーコンエアロコンフォート、その他の荷物はいざとなったらリュックに変身する機内持ち込み可能なカリマーのエアポート40、これも同じ。シーコンの電車移動は大変だった様子で帰りはその場で飛行機に変更された。ルフトハンザでチェクインをしていると大久保さんのシーコンは規定重量オーバーの26キロ、なので中の圧縮袋の衣類を取り出そうしたら、わたしと友子さんの三人1組のANAのコードシェア便だったのか理由は判らないが超過費用もなくそのままOKとなった。チェックインが終わり自転車を入れたシーコンのみ大型荷物の保安場に移動して検査を受け中身の目視検査のあとX線を通して無事終了。これで面倒な荷物はミラノ・マルペンサ空港で受取ることとなり一安心。
フライトは羽田からルフトハンザでミュンヘンへ、乗り換えてミラノ・マルペンサ空港。帰りはフランクフルトで乗り換えてANAで羽田着。いずれも自転車2台を持ち込む旨連絡済。片道13時間に及ぶ機内の過ごし方を熟考していたが、「映画・食べる・飲む・寝る」でこのために契約したNetflix は一度も見ることはなかった。ただし、行きは12時30分に出て現地時間の20時頃着いてその日は寝るだけだから問題なかったが、帰りは9時40分に出て日本着は次の日の朝6時30分、機内では行きと同じく起きている時間が長かったこともあり時差ボケによる突然の睡魔がしばらく続いた。次回行くときの帰路は映画は一切見ないでノイズキャンセリング付きヘッドフォンと首枕でひたすら眠ることにする。
ミュヘンの乗り継ぎで松澤さんと会う。空港内を電車に乗って移動し同じルフトハンザ便で1時間5分のフライト、ところが用意されたのはローカルなAir dolomiti、客室乗務員は今まではとは接客も見かけもガラリと変わって明るいイタリアン、期待感に酔ってきた。
ミラノ・マルペンサ空港に着くとベルトコンベアの故障でわたしのシーコンが出てこない。しばらくしたら何とか手動で無事手元に届いた。しかし、数名の方の荷物は出てこなく明日受取の手続きをされておりこちらも初イタリアを感じた。
到着ロビーに出ると笑顔の川田さんとルイさんが待っておられた。遠い異国の地で日本人の方の案内と、帰りの空港までお世話になる車があるという安心感は最上であった。歩いてすぐの駐車場で今回のサポートカーとなるルノー・トラフィックに荷物を載せ、空港近くのCrowne Plaza Malpenza Hotelに21時30分に着いた。

わたしたち4人の遅い夕食は、ホテルのレストランのテラス席でイタリアビールで乾杯でスタートした。生ハムやローストビーフ、カルボナーラとワインを2本倒して心地良いミラノの夜となった。


22日はジロ休息日、自転車を組んで車に載せコモ湖畔をサイクリングしてボルミオに移動。シーコンの袋は27日からまたこのホテルに泊まるのでそのまま預け、わたしたちのスーツケースも車に載せるにはかさばるのでルイさんが用意したボストンバッグに詰め替えスーツケースも預けた。ルノーには川田さんとルイさんとわたしたち4人とそれぞれの自転車の6台で移動する。友子さんの自転車は川田さんに依頼して電動自転車(e-bike)をレンタルする予定だったが、返却が面倒だったらしくて川田さんのe-bikeのマウンテンを貸していいただいた。サイクリングスタート前にイタリアの交通標識とロータリー交差点・ラウンドアバウトのルールを教えていただく。日本でも外国の方がサイクリングする際にはこのようなことは必須だろう。

美しいコモ湖に着くと初めてのバールへ。
イタリアではコンビニを見ることはなかった。昔からの習慣を守るため、夜間や日曜の営業を規制する法律があり、外資系の大型商店に個人商店が潰されてしまわないよう保護されているらしくチェーン店が進出しにくい事情のようだ。よって、ちょっとした買い物でも数少ないスーパーに行かなくてならなし、トレイは公衆もほとんどなく必然的にイタリア風喫茶店のバールへ立ち寄る必要がある。バールにはカフェメニューなどの飲み物の他にや、パンにチーズやハムを挟んだパニーニ、ブリオッシュ、それに新聞や雑誌も販売されていた。来店した人が飲んでいるのはほとんどがエスプレッソ、わたしたちは抽出の量を増やして少し軽い味のカフェ・ルンゴが定番となった。

ここには市場があって地元マダムに人気店でルイさんに頼んでフルーツを購入した。買い方が面白くて、例えば「そのオレンジは美味しいですか」と聞かれると、すぐさま折りたたみナイフでオレンジを半分に切り、グッと絞って汁を地面に滴らせ、ジューシさを見せつける。すると、マダムは気前よく、あれやこれや店員のおすすめを買うといった感じ(多分)。

ジッタナからサイクリングスタート。

湖畔を気分良く初めてのe-bikeで走っていた友子さんだったが、ピオーナ大修道院へ続く下りが急にパベェになり止まろうとしたら立ち転け。大したことはなかったが、やはり病院にかかると膨大な治療費が請求される海外では万が一に備えて旅行保険は必須である。(川田さんのツアー参加者は加入が条件)

コモ湖岸に「あるレストラン「Lido di Colico」で美しい湖とその先にそびえる雪化粧が残る岩山を見ながらランチを楽しんだ。

デザートの直径が中ジョッキサイズで高さが半分のティラミスは、エスプレッソの濃厚なボディと口の中に広がるアロマに満たされまさにイタリアンドルチェ、驚きの逸品だった。


サイクリングを終わりボルミオに向けてドライブしていると山の斜面は一面のぶどう畑。所々に農園の看板がありティラーノのスーパーでその名前のワインがあり購入する。

ジロで自転車乗りに湧くボルミオの街到着。


ボルミオの街で川田さんが家主さんに鍵をもらいアパートメント「Casa Del Sol 」到着。歴史を感じる教会のような建物だが中はリフォームしてあり、リビングルーム、ダイニングキッチンはコンロやオーブン・食器洗いが一体となったビルトイン式。洗濯機もありベッドルームとシャワー&トイレは2箇所と言うことなし。ここでの2泊は快適だった。

近くの教会の鐘の音、窓からの山々の眺めなど古き良きイタリア感が素晴らしい。

夕食はワールドカップ男子滑降コースがあり、アルペンスキー世界選手権の開催地としても知られているスキー場「Bormio 2000」の展望レストラン「Gallo Cedrone」へ行った。

仲のいいバーニーズマウンテンドッグも歓迎。この犬は2000年以上も前からアルプスの厳しい気候の中で牧畜犬、護衛犬としてだけではなく、ミルクや乳製品、農産物などの輸送・運搬の際に荷車を引くなどの仕事をしていた古い犬種だという(wikipedia)。レストランの中のフレンチブルドッグも可愛かった。

20時になってもまだ明るい山の眺めを満喫しながらの食事は素晴らしかった。明日はいよいよステルヴィオ峠に宿から自走で上ってレースを観戦する。宿に帰り気温零度対応装備を確かめ、初・生・ジロに緊張の夜だった。
FLUCTUAT NEC MERGITUR
--- 漂えど沈まず ---
- 2017/06/06(火) 18:15:53|
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