コルナゴ部長の阿蘇天空の旅

阿蘇くじゅう国立公園の中央に位置する阿蘇内牧温泉からロードバイクを通じて阿蘇の魅力を紹介します。

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春告げる出来事

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仕事が空いた時間にサイクリングしていたら満開となった明行寺のサンシュユを見つけた。

いい香りがするなと思っていたら、近くに咲いていた沈丁花からだった。

香りと花のセットは、まさに春の到来を告げていた。



宿に帰ると、タクシーから降りるカップルがいた。

香港の、そうだな、30代の男性と、20代の女性の二人だった。

玄関横のバイクラックに自転車を置き、挨拶したら早々に女性が神妙な顔で話しかけてきた。

「スマホを列車に忘れたの・・・・」

「大分発の九州横断特急の中で忘れた、宮地駅に降りてタクシーの中で忘れたのに気づいたの」

それ以上の言葉はなくとも「見付けて欲しい、わたしのスマホを捜して欲しい」と目は哀願していた。

号車名と指定座席の控えもあったのですぐに宮地駅に電話するもすでに発車しており熊本駅へ連絡

数十分後熊本駅から連絡があり、「無い」

終点が人吉駅なのでそちらにも連絡、「無い」

警察に相談するも「今のところ届出は無い」

そのようなことを説明すると、あっさりと

「仕方ない、あきらめるわ」と悲しい表情を押し殺してわたしたちには笑顔で答えた。

その後、駅員さんとにいろいろとやり取りして、出てきたら宿に電話をしてもらうように手配した。

今まで列車にせよ、駅、タクシー、バス、前泊の宿など、ほとんど100%の確率で忘れ物は出てきた。

忘れ物が届くということが当たり前でない外国人は愛用の品が届くたびに感激していた。

それが嬉しかったが今回は残念で仕方ない、悪用されはしないとみんなで心配もした。



しばらくしたら二人は外出し、買い物をして帰って来た。

フロントに来て、内牧温泉で一番人気のあるケーキ屋の袋を出して、「お礼です」と

そして日本語で「アリガト」・・・

瞬間、みな、目が点になった、愕然と、悲しくなった。



家に帰ってしばらくしたら宿からスマホが熊本駅で見つかったと電話があった。

翌日、二人は阿蘇駅から熊本駅に行く行程なので、そこで受け取るとスタッフの声にも笑顔が覗いていた。

宿は送迎のサービスはないが、阿蘇駅にはわたしが送ってあげると伝言した。

その夜、我が家は家内も子供も歓送迎会で留守と聞かされており出来合いの惣菜が用意されていた。

しかし、一足早い花見のように、何かしら美味しくて、いつもの酒も沁みた。



明日から92歳の父と息子の3人で釜山に行って来る。

父は6歳から故郷を離れ叔父夫婦と朝鮮に渡りそのまま出兵した。

出兵の直前、戦地に赴く兄が訪れて慶州の仏国寺で撮った写真が父の昔からの宝である。

数年前、わたしと父とそこに行き同じ場所で同じポーズで写真を残した。

これは父の願いでもあった。

今回、僕もそこに行くと息子が言い出した。

そんな旅行をしてくる。

わたしの歓送迎会、いいスタートが切れそうだ。





FLUCTUAT NEC MERGITUR 
--- 漂えど沈まず ---


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阿蘇内牧温泉の温泉旅館から欧州の山岳コースを彷彿させる阿蘇サイクリングの愉しみ方を紹介しています。

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