コルナゴ部長の阿蘇天空の旅

阿蘇くじゅう国立公園の中央に位置する阿蘇内牧温泉からロードバイクを通じて阿蘇の魅力を紹介します。

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芭蕉の感性はどこへ

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阿蘇平野は田植えの季節、

この時期には田に水を張ると空や阿蘇五岳が映ることから「阿蘇の千枚鏡」と言われている、

しかし、その鏡は最盛期からすればところどころ水が張られず虫食いのようになってしまった、

後継者がいないため田を放棄した人が増える時代の流れ、

しかし、最近では自力で農業ができない農家が田んぼを貸し農作業を専門の業者に委託する人が多くなっていると聞く、

大型農機具で一気に鏡にしているのをよく目にする、昔ながらの家族で行う農作業の風景が変わってきている、



昨年、阿蘇地域は世界農業遺産に認定された、

阿蘇をサイクリングしていると、草原には牛の世話をする人、田や畑には農作業する人の風景がある、

いずれも高齢の農家の方で声が届けば話しかけることにしている、

みなさん言葉を返してくれるのだが逆に質問される、

どこから来てどこに行くのか、

山越えて遠くから来てなぜ山越えて遠くまで行くのか、そんな疑問の後におばちゃんはゴツゴツした手から飴玉を差し出してくれる、

「がんばってね」と笑顔で、

農家の方こそ農業遺産であり、阿蘇サイクリングは気軽にできる遺産巡りだと思っている。








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文藝春秋六月号より

二十世紀の最後の巨匠バルテュス、その妻節子夫人の寄稿記事が掲載されている、

節子夫人は菊池市出身でバルテュスと一緒に菊池にお越しになり菊池神社にも参拝されている、

バルテュスは2001年に92歳で亡くなったが、それまで「20世紀の生ける神話」と言われていた、

それは作品だけでなく交友関係にある、

義理の父のリルケに始まり、アンドレ・ブルトン、ピカソ、アンドレ・マルロー、フェリーニ、ジューヴ、カミュなどなど、

バルテュスの人生をたどれば、20世紀のパリの芸術が集約されており、生ける神話と言われる所以だろう。

さて、節子夫人の文章からは貴重なバルテュスの素顔が綴られている、

最初の出会いは京都で、

「十返舎一九、好き?」

と聞かれ戸惑われ、

「えっ、原書で読んでないの?こんなに面白い本なのに」

バルテュスは日本文学の大変な愛読者で、

「雨月物語」 「源氏物語」 「奥の細道」「徒然草」など好きな一節は暗記するほどに熟読、

日本の伝統文化もこよなく愛し、なかでも着物への憧れは特筆すべきで本人の寝巻きはいつも浴衣だったという、

来日した際にも「日本人はどうして自国にある素晴らしい衣服を大切にし、日々の生活に活用しないのか」というのが口癖で、

節子さんにも日常的に着物を着ることを求められたという、

そのような出会いやバルテュスと日本の関わりなどが書かれ古き良き日本を愛す画家だったことがうかがえる、

節子夫人は日本の教育にもふれられている、

バルテュスが愛した日本の美しい精神とその生活様式をいかに次世代に伝えていくか、

四十年以上、ヨーロッパで暮らしながらも日本人としての使命を痛感されていると語る節子夫人、

是非読んでいただきたい。


FLUCTUAT NEC MERGITUR  --- 漂えど沈まず ---

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阿蘇内牧温泉の温泉旅館から欧州の山岳コースを彷彿させる阿蘇サイクリングの愉しみ方を紹介しています。

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