コルナゴ部長の阿蘇天空の旅

阿蘇くじゅう国立公園に位置する阿蘇内牧温泉からロードバイクで走るの魅力を紹介します。

有明海の賜物

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「ハツモンがはいったよ!」に誘われて自遊亭に行ってきた。

初物を食べると七十五日長生きすると言われるが、旬の食材には生気がみなぎっているという意でありそれを食すると新たな生命力を得られるということだろう。七十五日はたんに語呂合わせと聞く。私の場合一年ぶりに味合う「初物」は今年に入って、タケノコ・山椒・タラの芽・ワラビ・フキに高菜に新酒菊池川といったところだが、菊池と阿蘇が移住区なので当然ながら山の幸ばかりだ。

夕方早くにハツモン情報が入り、宿には用事が出来たと笑顔を残して家路を急いだ。























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暖簾をくぐると同時に「念のためハツモンが無くならぬようそいつををメニューから消してもらいたい」と言うと

「すでに消してありますよ」と笑顔のマスター。

安心したところでボチボチと始めた。






























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得がたい初物に在りつけるのは家内と娘のいつもの三人

今年からアパート暮らしで居酒屋巡りのメンバーから外れた息子に

家内が電話したらちょうど自炊中だったらしい

こちらで今あっていること、今から始まることを話したら制御できない状況に陥ったようだ。





























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自遊亭のことはここで何度も紹介してきたが

天ぷらが何しろ旨い。

これも何度となく宣教師の如く説いてきたのだが

旨いのである。

これは「イワシの大葉フライ」

昭和三十年代生まれは、ウスターソースをじゃぶじゃぶかけて、「ガブリッ」と喰らいつく

すると虫歯ゼロの見事な歯型の切れ目を残し湯気が立ち上がる

と同時に瞬時に衣からまこと香ばしい匂いが鼻をぬけてゆくのだ

一噛み二噛みすると衣はサクサク

イワシはホクホク

イワシ特有の懐かしい味が口中に広がり、それにうっとりしていると

大葉のミントのようなスッキリ感が漂い

「これ以上はダメ」と言わんばかりに青魚の旨さの頂点を制御するのだ

衣の油とイワシの甘味、それにウスターソースの少年の想い出が渾然一体となり

今夜青年一人、かって花町だった二本木のアパートの一室で自炊する息子と同じように

私も制御不能になるのだ。




























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山うどの芽の天ぷら

ほろ苦くも秘めた甘味とエグミとの絶妙なバランスを封じ込めた力作

菊池にいてよかった

この店があってよかった

よかった。






























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目指したのは「しゃくの天ぷら」

今年の有明海の初物

日本一の干満差6mの干潟が生む私にとっては海の宝石

しばらく固唾をのんでその塊を見守り

こんがりきつね色をまとった衣に手を合わせ誘惑の甲殻類と再会する。

嗚呼、堂々たるプレゼンス・・・



自遊亭のマスターは有明海沿岸出身

よってその地域の海産物には目が肥え、

その日一番を選び、最適な調理法で捌き、文化としてのグルメ道を再現してくれる。

天ぷらは専門の職人の分野があるほど奥が深い

油と衣と経験による有明海に染まるポートフォリオ

それは独特の魔味があり即断すると後悔する

こいつはものさしの違うくせ者なのだ。





























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『その短編を書き終えたノートを内ポケットにおさめてから、ポルテュゲーズ牡蠣を一ダースと辛口の白ワインをハーツ・カラフで持ってきてくれ、とウェイターに頼んだ。短編をひとつ書き終えると、決まってセックスをした後のような脱力感に襲われ、悲しみと喜びを共に味わうのが常だった。これはとてもいい作品だという確信があった。が、その真価が本当にわかるのは、翌日それを読み返したときなのだ。
牡蠣には濃厚な海の味わいに加えて微かに金属的な味わいがあったが、それを白ワインで荒い流すと、海の味わいと汁気に富んだ舌ざわりしか残らない。それを味わい殻のひとつひとつから冷たい汁をすすって、きりっとしたワインの味で洗い流しているうちに、あの脱力感が消えて気分がよくなった。私はこれからのプランを立てはじめた。』

ヘミングウェイ 移動祝祭日より















Festina Lente - 悠々として急げ-


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  1. 2013/04/25(木) 17:58:42|
  2. おすすめ食事処
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