
「わけ入ってもわけ入っても青い空」とは、山頭火が阿蘇から宮崎への道中にて詠んだ句、「行けど萩ゆけどすすきの原広し」は明治32年阿蘇に滞在した夏目漱石が阿蘇登山の際に詠んだ句だが、まさしくそんな阿蘇の景色を愉しんできた。
菊池渓谷経由でミルクロードに出ると珍しいことに快晴かつ無風、いつもは強風に波打つススキが、まるで王国の支配者に両手を挙げて何度もひれ伏す人々のように見えるのだが、今日ばかりはきらめく綿毛が整然と並んでいる。そんな草原の道は、バイクだろうとオープンカーだろうと、ロードバイクで全身で風を受けながら走る快感には到底かなわないはず、といつもながら自己満足に浸りながら、走る。走る。
本日の阿蘇は一人、自由気ままで目的地もない。
ミルクロードから先はどこに行こうか、ラピュタ見て二重の峠か、212号で内牧、小嵐山から役犬原、手野から国造神社、やまなみ下って一の宮・・・・

そんな阿蘇平野への降り口を考えならが走っているとやまなみ道路まで来る。何となくここで降りたくはなく、そうなるとエルパティオの前を通りミルクロードをそのまま走って57号を渡り波野へ通じる静かな草原の道へ。

波野付近は目印となる建造物がなく迷路のように感じる。同じような杉林、同じような畑、小さな集落、だが根子岳の方角に進みさえすれば同道巡りすることはない。車もなく静かな田舎道が続く。

箱石峠に到着。北山展望所からここまで標高700~900mの高原地帯を走る。アップダウンはあるが「峠を上る」という意識はない。知らないうちにここまで来ている訳だがら得した気分だ。

箱石峠を一の宮方面に下っていると至る所に7月12日の水害の跡が今だ残っている。あの規模だけに当然ではあるが思わず自転車を止め峠道の激変ぶりに驚く。この峠道は観光ルートから外れているためか交通量は少ない。特に大型バスはまず通らない。阿蘇の水害を知るためにも一度目にされたらと思う。そして何でもいい、どのような形でもいいので地元にお金を落としてもらいたい。

阿蘇市黒川の阿蘇市農村公園あぴかで休憩

陸上競技場、多目的グラウンド、弓道場、農業フェスタ広場があり、サッカー・ラグビー・野球・ソフトボール・陸上競技・武道に対応している。実業団の阿蘇合宿時の練習コースでもあり、360度視界を阻むものはないカルデラのど真ん中、眺めが素晴しい。

内牧、湯浦の実業団が走るトレーニングコースに寄る

バイクのちょうど上にあるのが大観峰
トレーニングコースを一周して二重の峠を上り帰った。110キロ走ったがロードバイクに出会ったのはミルクロードの2人だけだった。幹線道路ではツーリングバイクや車が溢れんばかりの阿蘇、季節も天候もいいのに、ここを走らないとはいつもながらもったいない気がする。虫の鳴き声が聞こえるまでは阿蘇は愉しめる。
日々是好日
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- 2012/10/22(月) 14:56:18|
- ロードバイク
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| コメント:4
秋の虫はまだ鳴いていますので日程決まりましたら連絡ください。
気温は峠の朝夕で5度~9度、平地の日中で10度~15度くらいでしょうか。
- 2012/10/25(木) 10:15:39 |
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- コルナゴ部長 #-
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ワクチン開発してほしいですね。もう一人阿蘇病いますので、、、、、、
多分阿蘇を走りつくしても足りない口と思います。
さてお二方、来週あたり行きますよ、、、、再び!
目指すは新コースとKARUKI-BARだったりして・・・
- 2012/10/24(水) 23:09:39 |
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- ヘボーネン #mQop/nM.
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通勤で毎日通う渓谷経由の道を、あえて休日に自転車で走らなくても思っていましたが、車とは別物、やはりいいコース、樹林帯を抜け草原に至る瞬間、素晴しいです。
阿蘇は阿蘇山付近だけではなく、産山、波野、それに南阿蘇も奥深い道があります。まだまだ、まだまだ数パーセント走っただけでしょう。この病は放置するに限ります。
これからも無理難題にお付き合いください。出会いは運命、仕方ないことです。
- 2012/10/23(火) 11:51:59 |
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- コルナゴ部長 #-
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休日に自転車出勤お疲れ様です。阿蘇病に効くワクチンはありませんのでご注意願います(笑)
- 2012/10/22(月) 22:47:54 |
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- ブッチャーK #-
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