コルナゴ部長の阿蘇天空の旅

阿蘇くじゅう国立公園に位置する阿蘇内牧温泉からロードバイクで走るの魅力を紹介します。

冬の定番「ミルクロードを走れ」

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私の中で「 ロードバイクで阿蘇を走る 」とは、

2峠超えの100kmが基本であり目標とするのは3峠120km。

それは愉しさと、強く早くなることとのバランスで成り立ち、

サイクリングと自信の向上を目指すことによってもたらせる達成感と明日へのエネルギーである。

その条件を満たすコースとして、

阿蘇駅周辺や内牧温泉からスタートする場合、阿蘇山を上って南阿蘇を走りまた上り返す「五岳コース」や、

ラピュタ(狩尾峠)を上ってミルクロードで南小国や産山方面を走る「外輪山コース」がある。

また、私の住まいが菊池ということもあるが、菊池渓谷経由の阿蘇への道も素晴しいコースだ。

以前このコースについてエントリーしたものがあるのでこちらを。

 「阿蘇への道」




























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快晴の日曜日はこの道、「阿蘇公園菊池線」を走ってきた。

菊池渓谷の麓の道路沿いに永山という小さな集落があり、明治に架けられた眼鏡橋の永山橋がある。

この橋はかって熊本と大分を結ぶ交通上の要路であったため2年の歳月をかけて架けられた。

石工は肥後八代の橋本勘五郎、この人は皇居の二重橋や江戸橋、万世橋、浅草橋など有名な眼鏡橋を架けられている。

永山橋、長さ61m、高さ17m、幅4.6mの威風堂々した眼鏡橋を間近で見るには細くて急な下り坂を通らねばならず車で行くには無理。

サイクリングゆえの発見だった。






























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誰もいない北山展望所、


自転車と一緒に写るのは諦めた。


























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牧野組合の方が昔を偲んで作られた藁の家

当時は山で牧草を刈り取るため、現地で藁で家を作り数日間寝起きしていたそうだ。

以前、同じようにしてここに来たとき、作っていた70歳くらいの方が昔を想い出し話されていた。

「小さか頃、親父とお袋が家を空けて牧草刈に行くとな、残った弟や妹の面倒をみらにゃんで留守番は寂しかった、

夜になるとな、爺さんや婆さんに隠れて、泣いとったなあ・・・」



























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この日、阿蘇山は小さな爆発があり噴煙は珍しく宮地方面まで漂っていた。



























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草原の道を下り南小国に出てそば街道を上った。

久しぶりにこの道を走ったが車も少なくとてもいいコースだ。

薄暗い森を抜けると草原に出てミルクロードに出る。まっすぐ行けば内牧温泉、左に曲がると大観峰・やまなみ道路、

右に曲がって北山展望所まで行き、ウィンドブレーカーを着込み25キロの下ると50分で家に着く。

その間、信号も一旦停止もなく一回左折するだけだ。



寒さが緩んだ阿蘇を走るのは気持ち良い。

なかでも冬のミルクロードは休日でも極端に車も少なく悠々と愉しめる。

もちろん自転車で走る人も見かけないし、走ろうという人もいない。

でもこの季節はひとりで走るのが似合う。

小さな三脚を持っていって自分撮りもいいものだ。

天草が終わり野焼きのシーズンになるとソワソワする人も出てくるのだが・・・・

あと一ヶ月、秘かに愉しもう。
















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  1. 2014/01/29(水) 17:53:47|
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暖かい人

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阿蘇乙姫の「Aso Country Life 六月の風」さんへ遊びに行ってきた。

一昨年の水害により事務所が流されてしまい、従来あった倉庫を事務所兼お住まいに改装されて始めての冬を過ごされている。

阿蘇の宿泊施設や飲食店には薪ストーブがある施設が多い。

これは見た目ではなく厳しい寒さのためであり、広い空間を暖めるためには、とても効率のいい暖房器具だ。

そこで六月の風さんもドラム缶でストーブを自作されており、立ち寄るとまるで森の別荘のように木立の中に煙が漂っていた。






























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細工も見事な重厚な手作りストーブ。

煙突まですべて手作りで総額15万円で完成したという。

8畳ほどの室内はシャツ一枚でポカポカ、

昔ながらのオーディオセットからレコードでジャズが流れ、

珈琲を飲みながら見える窓からの森の風景は...

色彩の情景。

今度はカップをグラスに持ち替えて泊まりに来よう!






























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内牧温泉もますます寒さも厳しくなり庭の木が樹氷になる。

東北や北海道などの凍りつく寒さを知らない私にとって阿蘇の寒さは痛いようにさえ感じる。



























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くもの糸も樹氷に。

天気の良くなった午後、寒い景色の様子見にミルクロードへ車で上ると雪もなく凍結もなく平穏は風景だった

帰りの212号を下っていると、

凄い勢いで下る単車・・・

原付バイク!

いやロードバイクだ。

白いビーチジャージ・・・?

もしや?



























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茶のこさんだった

まさかの遭遇にお互いびっくり!

この時期に、この坂を、このスピードで下り人は皆無。































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左のお連れの方はツール・ド・おきなわ市民50kフォーティ9位の福岡のFさん

二人で南小国から大観峰に行き、阿蘇神社への途中だったそうだ。

茶のこさんは、昨年12月に未舗装路もあるルートを4~5人のチームで助け合いながら走るジェントルマンレース形式の

「九州 Heaven Ride 」を開催された。

また、全日本自転車競技連盟(JCF)、実業団自転車競技連盟(JBCF)などのアマチュアロードレースへの参加を視野にした

南九州地域の新しいチーム「セレクシオン南九州」の広報も担当されている。

清楚なお客さんが似合うお洒落な茶のこさんの店「tea room 茶のこ」には、

数年前まではランチタイムを避け恐る恐るお邪魔していたのだが

最近では100k峠超えしてきたドロドロの自転車乗りが普通に見れるサイクリストには貴重なエイドポイントとなった。

茶のこさんは多様な能力に長けた方で今後もロードバイクを通じた取り組みをされることだろう。

私もこの地をサイクルスポーツによって盛り上げる機運を高めたい。












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  1. 2014/01/24(金) 18:08:10|
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南の阿蘇へ 「走れば楽あり」

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南阿蘇ならそんなに寒くもないだろうと今回は100キロ超えを目指して行ってきた。

コースは大津経由で俵山を越え、その先は現地の状況で決めることにした。

この時期に億劫になりがちな阿蘇を走るにはちょっとしたコツがあって

弱気な自分を奮い立たせるというか説き伏せることが私の場合には必要。

それは早い時間じゃなくて、やや寒さが緩んだ9時や10時に出発すること

次が大事で、その夜は居酒屋に旨いものを食べに行くことだ。

単に行くだけじゃなくて、後半の辛くなったときや、峠をやめて近道して帰ろうかというとき、

今夜は何を食べたいかじっくりと考えのだ。

この前は「馬」と決めて、「馬刺」か「レバ刺」か「ハラ身」だったら焼くかタタキか・・・

悩んだ末に「ハラ身のタタキ」を選択、だったら合わせる飲み物は何か、

冷酒と決めたら、銘柄はと、馬タタキを食べるの想像しながらアレかコレか思い巡らし、やっぱり「菊池川」だな。

「じゃ自遊亭で」とこんな感じで辛さをうっちゃっりながらの鼻先の人参で釣り自分へのご褒美で目標を完結するというわけ。
馬鹿馬鹿しいけど効果絶大。

日頃、趣味としてサイクリングすることは健康に効果があることは誰しもが認めること

加えて全体重を片足で受け止め続けるジョギングやマラソンと違って関節の負担はほとんどなく

生涯愉しめるスポーツであると思っている。

現在の平均寿命は、男性79.84歳、女性が86.41歳。

「日常的に介護を必要としない生活を送ることができる期間」である健康寿命になると、

男性70.42歳、女性73.62歳である。

サイクリングやジョギング、旅行やドライブなど趣味やスポーツを快活に愉しめるのは男70歳女73歳がゴールなのである。

そこで健康寿命を延命したいがために今日走るという理由になり、そのための投資が自転車であり今夜の居酒屋、

安いものだ。




























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さて、俵山を超えたら寒さが一段と厳しくなった。

寒干し大根はさぞ旨味が増すだろうが、零度対応新型グローブも効果なく手が凍りそうだった。

またしても弱気になり、前回ご助言いただいたスキー用グローブを躊躇したことに後悔するばかり・・・
































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急きょ、パン工房「グランツ・ムート」へ避難。
































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いつもは多くの客で賑わっているのだが暖かい店内には一組だけ、

ご主人に尋ねるとやはり寒いので客足が鈍るとのことだった。

おかげでパンメニューも売り切れなく全品揃い

併設のカフェのいつも座る左端の一人席でゆっくりと食べることができた。

テンションが下がったところだったのでここで仕切りなおしができて気分良く再スタートができた。

いつもは携帯食かコンビニで済ませる程度だが、気分転換は絶大なる効果があるものだ。

久木野の道の駅を過ぎると長者原のような硫黄臭が漂っていた。

火山活動がやや激しくなった火口の噴煙がもろに降りてきている。

ではこれからのコースは、まっすぐ行って吉田線で阿蘇は凍結で無理だろう。

根子岳経由の265号だとちょっと心が折れる。

ではと、57号に渡る赤橋の手前、東海大学正門入り口の横道から赤水経由で内牧へ行こう、これならフラットで楽。

かつ、平地で力を温存し最後にラピュタを超えミルクロードに出て菊池渓谷経由で帰ろう。

「南の阿蘇へ」MAP完成。































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赤水の交差点から57号を渡り阿蘇平野を一直線で貫く農免道路に出る。

阿蘇の噴煙はさっき居た南阿蘇へ吹き降ろしているのがよく判る。

高森ではヨナが舞うともあとで聞いた。






























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いい道を見つけた。

農免道路をしばらく進むと「長者原公苑」の看板がありそれを左折、

するとラピュタが正面に見えるじゃないか。

ヤル気満々にしてくれる道だな。






























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アップすると






























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県道に出たら右折するとラピュタの上り口に































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静かな峠道を上っていると日陰には残雪がチラホラ

中腹にある崖の水場には凍りつき長いつららになっていた。































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積雪は2箇所、自転車を降り50mほど歩きで通過する。

この程度は愉しい体験ものだがクリートに雪が詰まりペダル装着ができないのがやっかいだ。

ミルクロードに出ると道路脇には雪の塊が並ぶが凍結はしておらず天気も良く実に清々しい景色を愉しめた。

これからはもう峠はなく菊池渓谷経由で一気に帰るという達成感もある。

家に着いたら温泉に浸り、しばらくは炬燵でうたた寝でもしよう。






























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ミルクロードから深葉の集落までは何とか下ることができたが、

そこから3菊池渓谷の第二駐車場までの3キロはこの通り。

歩きで雪の下駄になったシューズで「カツカツ」と滑りこけないように帰った。

家に着くと予定通り温泉、炬燵、うたた寝・・・

家内が帰ってくると今夜の締めくくりに。





























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走りながら、じっくりと熟考の結果に出た答えは「焼き鳥」、

ならば是空」だろう。




























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親父さんが焼いてくれた焼き鳥のなかでも

ぜったい食べると誓ったのは、




























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とり皮!

三切れほど前歯でムシャリと串から引き抜き、グニャリ、クチャクチャと噛み締めると

ジュルジュルと底力のある旨味が湧き出して「いや是空のとり皮は絶品!」と感心しながら、

ぬる燗で口を洗い、またムシャリ。

この日求めた甘辛塩っぱいとり皮はすばらしかった。

「走れば楽あり」だな。
















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  1. 2014/01/21(火) 11:58:26|
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言い訳の言葉は口から一番近い自分の耳に入る

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帰りは16時過ぎと言い残し菊池渓谷経由で山に行った。

車が少なく、いつものようなバイクも走らない。当たり前だが自転車なんか気配もない。

この時期なら当然だろうが種火のような冒険心と厳冬期の外輪山からの風景を独占したいという気持ちに年に数度駆られる。

マイナス気温の夜明け前、普通に朝練する方々もいらっしゃるが、わたしは並みの自転車乗りなので自分のモノサシでのこと。

さて、一回耳がツーンなる深葉の集落まで来ると道路の端には雪の塊が残り山の気温になる。

「手足の感覚が無くなる」、「それでも25キロ走らなくては帰られない」という極寒の体験はしたくないから

ここから先はなるだけ汗をかかぬよう胸をはだけゆっくりと走った。

それじゃ天草に向けての練習にもならないのだが真冬のミルクロードで汗は大敵。

北山展望所へ到着。気温1度。もちろん売店はクローズ。吹きさらしの風で体感温度は氷点下。それに、青空が消え嫌な雲。

勢い・・・負ける。

ミルクロードを走るとすぐに手の感覚がなくなり痛い。この日のために買った零度対応アソスのグローブを選択しない馬鹿者。

どこか暖かいところに手を突っ込みたくなるもジャージの中だと危ないので膝の裏で風をさえぎると幾分か楽。

かぶと岩展望所の売店が開いていたので避難しストーブとホットミルクで体を溶かす。

しかし、これが間違いだった。

暖かさを知った体はさっきの寒さに耐えらなくなり脳の指令は

「山を降りよ」

「言われなくても降りるよ」と内牧に行くこともなく、無人のラピュタをチラ見し、最短コース二重の峠旭志経由で避難。

ミルクロードのなかでも一番冷える鞍岳無線中継所まで来ると両手が凍傷になるかと思った。

そこから先はずっと下りでいよいよ足の感覚もなくなり「さぶーっ」と叫びながらペダルを回すしかなかった。

自宅に着き温泉で解凍していると、家内がドアを開けて「もう帰ったの、寒かった? 根性ないわね!」

何も語らず、風呂に沈んだ。







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  1. 2014/01/17(金) 14:21:11|
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脳外科医さん、さようなら

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脳外科医さんが1月10日お亡くなりになった。
昨年5月、告知された病を自身のブログで明かし余命宣告も語られた。その直後の脳外科医さんの言葉が強い。

「思っていたよりひどかったですな。でも大丈夫。落ち込んでいませんし絶望も脱力もしていません。ただし奇跡も期待しません。超堕落したとはいえ医者の端くれ、科学的根拠のあるデータを信じて、それにのっとった治療を粛々と受けるだけです。」

写真は昨年自分で撮られたなかのベストショットと2013年総括で紹介されているもの。
「人物はほとんど撮らないわたくしめですが、この母子には幸せを感じさせられます。」と『幸せ』が選ばれた理由。場所は菊池神社の表参道、本人もここの桜が好きと語られている。撮影は3月で病のことはまだわからない普通の生活をされているときだが選ばれたのは病が重くなってきた昨年末。満開の桜を背景に二人の子供をフレームに入れる母の姿は幼少の頃を懐かしむと同時に優しさを求める心理があったのかも知れない。

わたしは2007年12月からブログを始めその頃偶然に脳外科医さんのブログ「脳外科医の秘かな愉しみ」を見つけた。同じ自転車乗りの熊本の人だと判ると更新を楽しみにしていた。脳外科医さんは2005年10月からブログを始められて、自転車もそれ以前から乗られており次々に出てくる専門用語はとても新鮮であるとともに勉強にもなった。当時、わたしの職場がある菊池温泉にもよくサイクリングに来られており一度だけコメントしたことがある。以後連絡することもなく、もちろんお会いしたこともなかった。昨年8月、脳外科医さんが一旦退院されたお祝いの席に共通の自転車仲間を介して初めてお会することができた。顔さえ知らなかったのに昔からの友達のように話した。何気に「ツールやジロのコースに行ったりなんて」と尋ねると「後が無い者にとって普通の生活が一番です」と言われ読みの甘さを悔やんだ。そこで、外輪山を走ったり早朝の狩尾峠の写真撮影にでも宿へお誘いした。


12月8日、自転車のお泊りの方がちょうど着かれたとき、見覚えのある方が庭の先から歩いて来られた。玄関横のバイクスタンドに掛けてあるロードバイクを指差し笑いながら開き戸を開けられた。まさかの脳外科医さんと奥様だった。呆然としていると「来ちゃいましたよ・・・」。来られることが判っていたら予約されていた部屋よりもっとも宿らしい部屋に変えたかったが先客がありこれは今でも後悔している。「お構いなく」と脳外科医さんの言葉を振り切って食後に宿のバーで飲むことを了解していただき地元の友人に阿蘇らしいつまみとわたしの腹の足しを用意してもらい二人を迎えることにした。

バーではカウンターに座り三人で乾杯した。わたしの十八番の微発泡赤ワインはお酒が苦手の奥様も美味しいと飲んでいただいた。馬刺しや馬レバー刺し、あか牛のたたき、それに豆の木さんのパンを用意していたが食後なのにお二人とも結構食べてもらった。カメラやお互いのブログのことなど話し自転車のことになると「貧血と痛みでもう乗れない」と現実の脳外科医さんの置かれた立場に戻った。ここからわたしはしどろもどろで力を与えるよいうな言葉も何も浮かばずも聞き役を避けるためそんなに酔っていなかったが訳のわかないことをしゃべった。「あとがない私」と言われると言葉が全然浮かばないのだ。

「最後にもう一杯いいでしょうか」と並んでいる酒瓶を眺め「山崎をロックで」と言われた。そんなしぐさがとても嬉しかった。バーが出来て1年以上になるが初めてカウンターに立った。バカラのグラスがあったのでそれに氷を入れて山崎を注いだ。「美味しい」と笑顔で感謝を述べられ「これが最後、次はないですから」と言われた。わたしは思わず泣きそうになった。奥様を見ると平静さを装っておられたが目線は下になった。この夜、脳外科医さんの大切な時間を一緒に過ごすことができてとても嬉しかった。お二人と別れたあと残りのワインと焼酎瓶を握り使っていない客室でひとり飲んだ。記憶はそこで飛んでしまった。

脳外科医さんのお姉さまがブログにコメントを書かれていた。それには1月6日までは家族と正月を過ごされ友人の飲み会や新年会にも出席されていたそうだ。しかし、7日に容態が急変し8日に入院10日正午前にご家族に見送られ帰らぬ人となられた。脳外科医さんは開業医で余命1年の宣告を受けながらも年末まで患者さんのお世話をされ、最後の方の紹介状を書いて病院を閉じゆっくりされていた
 
2013年の総括には、「50歳になる来年5月までは元気でいたいなあ、それが今のわたしの精一杯の願望です」そして、1月2日の返信には「できればサッカーワールドカップは是非とも見たいもので6月まではくたばるわけにはいきません」とまだまだ元気だった。脳外科医さんの決意は医者であるからこそ与えられた命の最後の過ごし方を教えてくれたように思う。それは避けられない事態になったときこそ正面から向かい合うことであり自分の生き方を貫くことが一番正しいというものである。しかし、普通の人間だったらそれは理想でありご本人も現実はそういうわけにはいかないと感じられていた。

「わたくしは今のところ症状も軽くADLも完全自立しておりますのでまだお気楽な自堕落生活を送れていますが、今後自由な活動が出来なくなったときに今のように平静を装う自信は全くありません。本質はとってもちっぽけで弱い人間ですから。それでも出来るだけ頑張るつもりでいます。今後は多分愚痴っぽい読むに堪えない内容になっていくでしょうがそれでもよろしければ最後までお付き合いいただけると幸いです。応援ありがとうございます。」

翌朝、阿蘇外輪山の日の出の撮影に行かれた。まだ元気だったらロードバイクで上っていかれただろうがもう平地でさえ無理だからとおっしゃった。私が宿に着いたときにはすでに撮影から帰えられていた。「雲海は出ませんでしたが好い感じでしたよ」と興奮しながらも笑顔だった。その写真はすぐにブログにアップされた。撮影場所は狩尾峠、ラピュタ。三枚アップされているが最初の一枚が特に素晴らしい。阿蘇平野に絹のような薄雲が漂いうっとりするほど美しく荘厳でさえある。エントリーされたブログのコメントの返信には、「わたくしも日の出前後の外輪山を経験するのは生まれて初めてで(もちろん車でも)。いい経験ができました。ほんのちょっとだけ神様がご褒美をくださったのでしょう。」


脳外科医さん、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

いずれ再会したとき、今度はあなたのおごりの山崎で乾杯しましょう。

それまで脳外科医さん、秘かな愉しみを。


  1. 2014/01/14(火) 10:51:51|
  2. その他
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やや妄想

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久しぶりのミルクロード、1ヶ月振り以上だから新鮮な景色






























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寒さも新鮮





























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日中一番気温が高いとき、かぶと岩展望所ではマイナス3度

氷点下の体感も新鮮































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マゼノミステリーロードは2月28日まで冬季期間のため通行止め

この看板も新鮮だな































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久しぶりを超えて懐かしい景色にさえ見える
































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定番のロケーション






























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ラピュタも新鮮

ややゴミが気になったが・・・






























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阿蘇が初めての人のように感動していたら、

何とカップルの自転車乗りを見かけた。

天気も良かったが、まさかこの季節に212号を上ってミルクロードとは・・・・

ちょっと悔しい。

15時を過ぎていたらから車は大観峰に停めてあるのかも知れない。




ではカップルの心境と二人が走ったコースを推理してみよう。

正月空けの平日のサイクリングだから仕事はサービス業だろう。

寒さは厳しいけど好天の予報にミルクロードの積雪や凍結がないことを確認するために車で大観峰へ行った。

彼女か奥さんのため安全を重視した男性の優しさが伺える。

問題なかったので車を停め予定通りここをスタート&ゴールした。

ミルクロードを走り北山展望所の交差点を左折、かぶと岩展望所でトイレ休憩しようと立ち寄ったら、

珈琲やホットドッグがある「ピッグフルークカフェ」がこの季節にオープンしていたので思わず温かい珈琲を愉しまれたはずだ。

暖まったところでラピュタに行きバイクで来ていた人に定番風景をバックに記念写真を撮ってもらった。

さて、この先が問題。

厳冬期の阿蘇を走るのだから女性も結構乗れるはず、

ならば危険なラピュタの下りを避けこの先にある二重の峠を下ったと読むのだがどうだろう。

降りたら県道を通って内牧へ到着。

ランチは行列が少なかったら「いまきん食堂」の予定していたが1時間待ちに諦め、もしかしたら「ヒバリカフェ」か・・・

いや、恐らく寒さも緩んだ10時か11時くらいにスタートしたはず、

大観峰へ帰る時間は16時としたら携帯食ですましたのだろう、たぶん。

いやいや、内牧から今回の目的のひとつである阿蘇神社へ足を伸ばし参拝したのは間違いない、

だったら、門前町の「とり宮」で「馬(バ)ロッケ」や隣の「たのや」でシュークリームで女性を喜ばせたと読むのが筋だろう。

帰りは212号をゆっくり上って展望所まで来ると今走った外輪山や阿蘇平野を眺めて

「もうひと頑張りだから」とやや疲れが見えてきた女性を励まし、無事予定時間に大観峰へ到着。

「寒かったけど愉しかった」と女性は大満足し、思惑は簡潔!

帰りのBGMはアバロンなんかを流して、今頃は乾杯してるんだろうな。














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  1. 2014/01/09(木) 19:00:06|
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今年もウェルカム

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大藪サイクルさんのメンバーがクラブライドで立ち寄られた。
前日は坊中の公民館に料理や飲み物を持ち込んで新年会をされたそうだ。朝方まで盛り上がってそのまま宿泊。ここには寝具がないのでシュラフを持ち込んでの泊まりとなるが昔の修学旅行のような気分になったことだろう。広間はカーテンで仕切れて寝るときは男女を分けることができる。広い台所には調理器具や食器も使え、水洗トイレ、廊下の隅には自転車を置くスペースもある。阿蘇を自転車で走る延長線にはこんな大人の遊びがあるので愉しまないともったいない。




























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自転車による自信の向上を目指した一人旅、おしどり夫婦のカップル旅、友達と、チームでなど、

昨年は多くの方に阿蘇を自転車で走る目的のため宿を利用していただいた。

客室や館内に自転車を持ち込めることや、簡単な整備道具やポンプがあること、

それにコース教えてくれる同じ自転車乗りがいるからだという安心感もあっただろう。

今年は「阿蘇を走ってみたい」という人を応援するスタンスをより向上させたいと考えている。

それは20年の東京五輪効果による取り組みである外国人を受け入れる体制づくりでもある。

客室20室の小さな旅館の外国人への対応策のひとつでもあるが私一人ではできないことなので

そのことに理解してくれる人と協力し一過性に終わらせない工夫で取り組みたい。

阿蘇という環境を生かせば十分なチャンスがあるはずと思っている。












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  1. 2014/01/05(日) 17:28:39|
  2. ロードバイク
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幸運の予感

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今朝の二重の峠は初雲海だった。

いい天気が続いているが私の初乗りは多くのみなさんにとって青い月曜日となる六日。

ミルクロードか阿蘇登山道か、

近道はしない。

























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年末ジャンボに見事当選!

三百円だが交換せずお守りとしたい。

そろそろリーチがかかったか?

喚起は小さな声で。











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  1. 2014/01/04(土) 19:16:33|
  2. その他
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蘇山郷 中尾公一

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新年明けましておめでとうございます。

昨年はたくさんの方に蘇山郷にお越しいただきました。

期待を裏切らないためにも館内の骨格的な改善は経営者の判断によりこの2年で終わりました。

あとは多少化粧をほどこせば自信をもって進められる価格相応以上の宿になるのではないかと思っています。

従業員は素朴な印象と誠意をもった接客姿勢が形になって悪くはありません。

風呂は大浴場、貸切風呂、それに客室付帯の半露天風呂とも雰囲気はパーフェクトです。

加えて温泉の一番大事な泉質と提供形態も文句の付け所はないと自負しています。

料理はじゃらんや楽天のクチコミを見ると評価は高いですが私が求める料理旅館には程遠いレベルです。

しかし、補助なしの二人のだけの料理人ではこれ以上は無理でしょう。

よって朝食専用のスタッフを配置し朝ごはんのレベルを上げる計画は経営者も了解してくれています。

私が来たときに比べると蘇山郷はいい旅館になりました。

けっして私がどうしたこうしたと言ってるのではなくすべてタイミングよく進んだ結果だと思っています。

私は勝手なことばかりしながらも宿の経営者からは大切にされています。

でも、大切にされることと必要とされることは違いますから、

そのことを判断して自分のために蘇山郷の価値を高めながら我が道を進みたいと考えます。

昨年、「ツール・ド・おきなわ」では完走することができ自転車ではよく頑張れました。

ただ自分自身へのチャンレンジについては煮え切らないものがあって一歩前に進めませんでした。

今年は一昨年ここに来たときのように、爽やかで伸びやかな気持ちでゼロからのスタートを切りたいと思います。

今年もよろしくお願い致します。









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  1. 2014/01/01(水) 19:10:31|
  2. 宿のこと
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Author:コルナゴ部長
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阿蘇内牧温泉の温泉旅館から欧州の山岳コースを彷彿させる阿蘇サイクリングの愉しみ方を紹介しています。

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