コルナゴ部長の阿蘇天空の旅

阿蘇くじゅう国立公園の中央に位置する阿蘇内牧温泉からロードバイクを通じて阿蘇の魅力を紹介します。

記念日だから牛深へ その3

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「ピーッ、ーヒョロロー」、トンビの鳴き声で目覚める朝は格別だ。




















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宿の前の海を覗くとアジ子の群れ、深くなるほど型がよくなる。
それにしても透明度はピカイチだ。
海から一段高い路地沿いに畑が広がる。ネットで囲まれており自転車で畑仕事に来たおばちゃんに声を掛けるとイノシイ防止とのこと、最近多くてかぼちゃ畑は全部やられたと嘆いていた。おばちゃんはインゲン豆の収獲をしており、2mおきに竹の棒に空き缶がのっている。葉っぱよりちょっとだけ高いところにありいったい何だろうと訊ねると、「虫避けたい」、空き缶の表面にはハエ取り紙のような粘着性のものを塗ってあった。こういう駆除もあるんだと知恵の多さにちょっと感心、空き缶というのが賢い。
島に行くとみんな漁業とばかりに思うがどこに行っても畑で日常の野菜を作っている。たくさん取れたら隣近所に配ったり、漬物にしたりしている。そしてイノシシの被害を言う。海を泳いでどこにでも繁殖する。特に身ごもった雌が餌を求めて新天地を目指すようだ。たまにお腹の大きなイノシシが海岸に打ち上げられていると聞く。必死なのだ。


朝食は8時と言っていた。ちょっと早いが2階の食堂に行く。


















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・・・・・・・!




















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大きな椀は伊勢海老の味噌汁、昨日の刺身のあと味噌汁とお願いしてた。
いい匂いが湯気に広がる。ちょっと口をつけると特有の旨味が際立って風味が鼻孔を突き抜ける。こんなに凝縮された味噌汁は初めてだ。殻には薄いながらもふっくらと白い身もついて、てろんとしたミソもある。思わずかぶりつきしゃぶると足からも柔らかい身がちゅるーっとでてくる。食べ方がへたくそな家内の半身を取り上げチューチュー旨味の最後の一滴まで吸いまくる。そして牛深の豊饒の海の宝石が、まろやかに上品に染み込んだ極上のスープを深呼吸して口に入れるとすべての脳細胞が「おやっ」と反応するんじゃなかろうか。

家内が「美味しそうね」とニコッとして我に返った。

サバ干物も旨かった。サラダはレタスにトマトにハム、それに半身のゆでたまご、納豆もある、ひじきの煮物は特有の甘い味付けで食をそそる。自家製キュウリの漬物も上手だ。それに新米のご飯は旨いの一言、こんなの家でも食ったことがない。

端のテーブルにジャーがあってご飯のお代わりはセルフ、係りの人がいて頼むシステムだとタイミングがずれたり量とか面倒だが小さな宿でもこれは気楽でいい。水やお茶、インスタントコーヒーはセルフだ。

別注の牛深産伊勢海老の効果は絶大で、刺身では味もさることながら豪華な見栄えがいい、そして翌朝の味噌汁と日本で一番の朝ご飯ではないかと正直に思った。




















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二人してしっかりと飲んだが申し訳ないほどの料金だった。

トイレこそ共同の和便器と難があったが、部屋は清潔だし食事も満足だ、周りの環境も良い。それで5000円なのだからいうことがない。




















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フェリーの時間までハイヤ大橋付近で散策した。




















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干物工場




















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干物ができる過程さえ、・・・・面白い。



















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アジ子のサビキ釣りで賑わっていた。
釣り道具は持ってきたが今回は時間がなく優先順位下位のため、

竿を出すことはなかった・・・・




















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三脚にサドルを付けて椅子になっている。
ちなみにメーカーはブリヂストンでママチャ用、しかしこういう使い方もあるとは。
余ったサドルはこうしよう!




















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牛深港から三和フェリーで長島の蔵之元港へ30分
新幹線の出水駅ができたのでこの路線が増えたとか、

























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船内は快適だ。
ハイヤ大橋がいつまでも見えていた。
蔵之元港に着く。さっきまでいた牛深が都会に見えるほど田舎もいいところだ。
港からいきなり上りでそのあともアップダウンの連続は阿久根市まで続く、自転車はつらそう。このコースだと帰りはJRの輪行になる。長島を北上して諸浦港までのアップダウンはそこまではないらしい。自走だったら中田港に帰ってくるのがいいかも知れない。




















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汐見の段々畑
長島はとてつもなく海が綺麗だ。見どころもたくさんある。今回はあえてパスし次回の楽しみとした。
黒之瀬戸大橋の道の駅で海産物を買ったがどれも破格値で家で食べたがそれは旨かった。
特に鰤王(ぶりおう)、萬サバ(まんさば)、長島海峡アジなどゆっくり腰を据えて賞味したいものだ。





















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10月26日が結婚記念日だった。
「25年前、私は実家で花嫁衣裳着て仏壇に手を合わせ結婚式に旅立った・・・・」
と家内はその日のエピソードを話しながら天草へ行った。
平日でもあり1泊しかできないので遠くは諦めたがよく話せたし今回のコースはたいへん想い出に残るものだった。

1年近く前、家内が階段から落ちて自転車に乗れなくなってしまった。しかしずいぶん前に打撲もほとんど完治し乗れるようになっていたが、自転車に対してテンションが下がってしまったのか全然乗らなくなった。
記念日だから私が大好きな牛深で海を見ながら走ろうと誘い、それが一番のテーマになった。あまりの美しさに感嘆の声をあげながらのサイクリングはどうやら家内の気持ちを解きほぐし完全に吹っ切れたようだった。

25年目、いよいよ折り返しとなったわけだが、これからもよろしくと定番過ぎる約束をし、これからの道を進む。




日々是好日

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  1. 2011/10/29(土) 10:54:15|
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記念日だから牛深へ その2

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牛深到着、宿に車を置き着替えて家内とサイクリングに行く。宿はハイヤ大橋の途中から左に下りるか、通天橋を渡たった下須島の砂月海水浴場近くにあり、昭和へタイムスリップしたような田舎の漁村が点在する。一人なら未知のコースを散策したいところだが主役は家内なので坂のない牛深市内をのんびりと走ることにした。




















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牛深と言えばハイヤ大橋、眺めはいいし、このくらいの坂なら家内も文句は言わない。と言うかスプロケットは27Tで同じだが借り物のホイールが軽量なのでスイスイ上るとご機嫌だ。やはりホイールでこうも違うものかと感心する。




















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ハイヤ大橋の両側歩道と途中からの降り口(下須島ランプ橋)の全部を走ったが素晴しい。




















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この橋の設計は関西国際空港を手掛けたイタリアの建築家と聞く。ハイヤ大橋は外見以外にも自転車で公的に走れる広い歩道という魅力もある。これは安全走行の条件付きサイクリングコースとして堂々とサイクル誌で紹介したらよいと思う。今あるものの価値を深めて人を呼ぶきっかけを作ることが利口ではないかと感じる。

新和町の中田港から牛深へ通じる26号線を、箱石峠やラピュタを裏ラルプデュエスと喩えたUCIプロツアーコースの試走経験のあるpjさんは、「奄美大島を彷彿とさせる、延々と続く海岸線のアップダウンの超田舎道」と表現した。私が始めて走ったときは「静かな海岸線に、ときおりこじんまりとした集落と港、昭和の郷愁漂う絶好のサイクリングコース」と紹介した。
389号のサンセットラインの豪快な景色も良いが、自転車だから楽しめる海端の田舎道も売り方次第では魅力的な印象を与えるのではないだろうか。





















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漁船に氷を積んだり、船で仕掛けを準備する人を眺めて港や魚市場付近を走ったらいつも間にか夕焼けになってきた。
牛深の街はイリコの匂いだ。それはウナギ屋か焼き鳥屋の匂いのもとをたどったら赤提灯だったというように、巧妙な食欲をそそる私にとってはマキエのようなものでいつも腹が減る不思議なところだ。



もう一度ハイヤ大橋を渡って、ラクダのコブのような小さなふたつ目の峠を越えてたら夕陽が目を突いた。当たり一面にオレンジ色の閃光が包まれて、家内があまりの美しさに「うわーっ」と叫んだ。「夕陽を浴びる」なんて感じるのは懐かしいものだ。この先にある森海岸が日本の夕陽百選だとあとで知ったがそれは十分納得するものだ。




















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今回の宿、民宿さつき荘。
pingさんに教えてもらった。以前こちらに転勤されていたときの情報だが自転車が趣味の人だと求めているものに限りなく近いものを選択してくれるのでとても貴重だ。

1階がお風呂、2階が食堂、3階に客室が4室、一泊ニ食付き5000円。5000円からじゃなく5000円がここの正価だ。
今回の目的は「牛深でサイクリングを楽しんだあと美味しいものを食べて旨い酒をゆっくり飲んでお祝いをする」というもの。地域的に非常に限られたなかで私は旨い肴さえあればどうでも良いが家内はどうだろうか。
私は20年以上旅館にいたので多くの施設に泊まった。特に料理の評判のいいところはかなり経験した。指宿の秀水園は五回は越えた。8000円の宿から35000円の宿まで理想の旅館を追い続けた。人はそれぞれ宿泊施設に求めるものは違うが私は両手を挙げて迎えてくれるところが好きだ。心から歓迎してくれるところを選びたい。接客だけでなく、料理や備品やルールなどそんな姿勢が見えてくるところを理想とする。


















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ハイヤ大橋を越えた下須島には工場も漁港もない。ただ完全な海がある。防波堤や波消ブロックからは磯の腐敗した臭いはない。どこでも見るフナムシの類いもいない。そんな美しい海と砂月海水浴場が真横に見える。

部屋はエアコン付きの6畳、トイレは共用で廊下に和便器ひとつ、洗面台はベランダにある、テレビも部屋相当の液晶だ。清潔感に問題はない。タオル、浴衣、1階の浴場はすごく清潔、以前の商売柄ここを見れば大方分かる。
トイレ以外5000円の謎を見出せないまま夕食となる。




















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アイナメの煮付け




















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刺身はメジナ、こちらではクロとブリの幼魚のツバスにアオリイカ、全部地魚だ。




















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天ぷらは海老、エソのすり身と島の野菜が盛りだくさん




















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ささやかながらも記念日だから別注文の伊勢海老、これもご主人が獲ったもの

我々二人にはほど良いサイズで何と2700円の破格値!















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砂月浦に沈む夕陽を見ながらの夕食、
こんなに豪華な料理が格安で提供できるのは奥さんと二人だけの経営で人件費がいらないから。それと食材はご主人が海から獲ってくる。もともとサラリーマンだったが体調を壊して退職し夫婦で民宿を始めることになった。そのため漁師さんとは思えないの低姿勢で自ら飲み物を持ってこられたりもする。
一泊二食付き5000円は開業時より変わらない。何度も言うがここでも適正価格なのである。




















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十分過ぎるほど料理には満たされたが酒の肴にもう一品と訊ねると、アツアツが来たぞ!
アジの味りん干、もちろん自家製だ。これは私の経験のなかで最上の干し物だった。フカフカした柔らかい厚い身からジュワーと旨味が口の中に溢れ、味りんのほど良い香りが鼻孔にやんわりフワーッ届くとあまりのウマさにもう5匹おねだりした。翌日精算の時に知ったがなんとたった500円だった。それも2皿で!
どうしてこんなにも美味しくて安いのか。

'O Sole Mio !!
 

明日へ続く・・・・牛深はこうも幸せなところだが書くとなるとホトホト疲れる





日々是好日

  1. 2011/10/28(金) 14:13:47|
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記念日だがら牛深へ

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ハイヤエーハイヤ
ハイヤで今朝出した船はエー
どこの港にサーマ入れたやらエー
エーサ牛深三度行きゃ三度裸
鍋売っても酒盛りゃして来い
戻りゃ本渡瀬戸から渡り

家内と牛深へ一泊旅行に行ってきた。
10月26日という日は25回目の結婚記念日であり通過儀礼はちゃんと行うのが我が家のシキタリである。そういうわけで手短なところで想い出に残る旅をしようと、最近お気入りの美と食と自然を兼ね備えた牛深でサイクリングと海の幸で乾杯することにした。






















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車は長男にやったランドクルザーを借りる。
自転車2台と、もしかしたらの釣り道具、それにみやげ用のクーラーボックスを余裕で積んで出発した。


















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本渡から天草下島を時計の逆回りでサンセットラインをドライブ、雲ひとつない青空と紺碧の海は美しいの一言だ。

今日はもう力がないので続きは明日詳しく。


日々是好日
  1. 2011/10/27(木) 19:02:49|
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寒かった!阿蘇火口ライド

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沖縄のチームキッズがんパパさんとカメちゃんと阿蘇火口へ行ってきた。
天気予報では今日から冷える言っていたが菊池では暖かく、阿蘇でもそこまではないだろうと悩んだあげく冬用の起毛ジャージはやめて、長袖ジャージに冬用アンダー、下はレーパンにレッグウォーマーにした。
8時30分我が家に集合、最近定番の竜門ダムの麓の村から水の道で387号に一旦出て、立門から205号でオートポリスを経由し北山展望所、ミルクロード、内牧から阿蘇パノラマライン、阿蘇火口、南阿蘇、最後に俵山を上るの予定。



















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二人ともとても早く、遅れるが何とかオートポリスに到着、ここからけっこうな坂を上り北山展望所へ行く。平日でもあり静かで、というか、いつものことだが3人並んで走れる。渓谷のせせらぎと少しだけ紅葉した木々は何度も眺めてもいいものだ。





















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北山展望所、想像以上に寒くて気温12度。

この地域の昔の農作業における生活を再現してあるワラ小屋だが、今日はその発案者である地元の組合の長がいらっしゃって説明を聞いた。観光という意味をよく咀嚼されている阿蘇の奇才に会えて同時に痛く感動した。

「この季節になるとイヤでなあ、親父もお袋も婆さん爺さんみんな草刈りにこん小屋に行くとたい、だけん2ヶ月な、姉ちゃんと二人で過ごす家は寂しくてなあ、食うとは毎日玉子焼きばっかりだったばい、イヤだったなあ」



















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特別にお許しをもらい中に入ってワラ小屋体験、意外と暖かく快適。





















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ミルクロードを走り内牧温泉に下る。
強風、アンダーバーで姿勢を低くし猛烈な風を避ける。寒くて、寒くて。


















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パノラマラインを上って草千里に着くとグッと冷え込み、多分10度以下だろう、寒さをしのぐため昼食。霧もでて視界は薄く風も強い、こんなときはテンションも下がり退却が多いが二人とも南の太陽のように明るく、火口へ強行、おかげで生まれて始めての火口体験ができた。
カメちゃんは阿蘇が始めてでウィンドブレーカーの装備がなく貸してあげる。これ一枚で天国と地獄の差がある。
次回はネックウォーマーに指全部のグローブも必要だ。





















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火口から吉田線を下る。
二人とも車の少なさと絶景に感動、それと阿蘇の厳しさも体で覚えられたようだ。



















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南阿蘇に降りたら風も穏やかで、霧もなく、普通の、平凡な、いつもの気温、コンビニもそこにある、危機感ゼロ、今さっきまでの自然のたじたじとなる恐怖なんて全くない。

112キロ、俵山はパス、二人とも温泉にはいったら馬刺しが食べたくなって菊乃家で夕食となり阿蘇火口ライドが終了、再会を約束する。

今日はサラサラッとしたブログだが、実は明日から牛深、そのため時間がなくここで終わり。明日は休み。

最後に思い出した。
阿蘇火口の橋渡っていつも土産物を広げてるおばちゃんが明日雪が降ると言っていた。阿蘇はすぐに冬になる。




日々是好日
  1. 2011/10/25(火) 19:43:49|
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ゼロからのスタート

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破壊された!
デジカメのデーターをパソコンに取り込んでいるすきに・・・・・・





















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この人にやられた・・・・・・・






















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夕方、竜門ダムまでサンマルコの新しいサドルの試走に行ってきた。どちらかというと長距離向きではないとショップの方から聞いたが、大丈夫でしょうと「許可」を頂いた。短い距離だったが特に問題はなさそう。
他にもいろんな写真があったがSDカードが死んだのでこれだけ。
サドルが変わるだけでも俄然ヤル気が出てくる。写真も一から出直し、捨てきれずいたデーターが消えたがいっそせいせいした気分だ。ゼロからのスタートも悪くない。






















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宮澤選手、サクソバンク・サンガードに移籍が決まった。
今シーズン始めにリース監督に『チームに入れてくれ』と直談判したのがきっかけという。自分で動いて手にした大きな一歩であり輝かしいゼロからのスタートだ。。そういう積極性がないとむこうじゃやっていけないんだろうけど、UCIプロチームのサクソバンクにリース監督だからこれ以上の環境はない。これでコンタドールのアシストなんて信じられない現実が見れる。




















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ゼロからのスタート、復興への道を辿る東北、
この災害における自衛隊の指揮系統や即応能力は目を見張るものがあった。





















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その救援オペレーションについて書かれたものがあった。新潮45の11月号、杉山隆男さんの「兵士は起つ」、先月号から掲載でこれは第二回。

まずは仙台市を含めた宮城県の北半分が防衛警備及び災害派遣を担当する二十二普通科連隊の存在が大きい。その連隊長として2009年8月に着任した國友昭一佐は、前年に「岩手・宮城内陸地震」もあり、30年以内に99.9%の確立で襲来すると言われていた「宮城県沖地震」に対してもっとも大きな被害が予想されるエリアであり、二年の在任期間に地震が起きたとき部隊がすばやく救助活動に乗り出せるように環境を整えることを連隊長としてやり遂げる第一の目標とした。

赴任後さっそく動き出し、県と自衛隊との災害派遣協定の見直し作業を行った。自衛隊の機動力をタテ割り行政や煩雑な手続きなどで宝の持ち腐れにならないようスピィディーな対応がとれる道すじをつけた。
村井宮城県知事は國友連隊長の防衛大の一期先輩にあたり危機管理における理解力も大きかったようだ。

また、担当地区を七つのブロックに分け中隊ごとに分担エリアを決め、いざというときそれぞれの部隊が自分達の担当地域に真っ先に駆けつけ救助活動にとりかかれるように平時からその訓練を重ね、「別命なくば駐屯地に急行せよ」という震度六以上の地震に見舞われたときの隊員の行動基準とした。
日頃より自治体がおこなう防災訓練にも連隊あげて参加し意識の向上と地域住民との連帯を図ったことが災害時のあの感動を呼ぶ行動となったのであろう。

その後、自衛隊員たちの命がけの闘いが展開する。綿密な取材によるこの連載は必読ものである。



























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故スティーブ・ジョブズ公認伝記『Steve Jobs : the Exclusive Biography』が、11月21日に世界で同時に発売予定が急逝のため本日発売となった。日本語版の『スティーブ・ジョブズ』の上巻が今日、下巻が11月1日に発売され、この伝記本の映画化も交渉中だという。

ジョブスの天国からのゼロからスタートだ。



日々是好日

  1. 2011/10/24(月) 11:40:04|
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サイクルショップ選択の理由

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ヘルメットの使用期限はメーカー推奨によると使用開始から3年といわれている。いろいろな考え方があるものの安全と何より趣味の分野なので3年に一度は買い換えてもいいかと思う。

サドルは10000キロを越えるとベース部分がへたって沈み込み20000キロで交換と聞いたことがある。しかし、慣れが一番大事で座った瞬間ピタッと皮膚のように吸い付く感じは他のサドルでは考えられないはずだ。私の場合もそうだったが、経年劣化による表面のザラつきや落車の傷がレーパンを痛めるので交換することにした。ところが同じタイプの黒ベースが廃番となっており、「やむなく」 と 「早くなる、強くなるための進化」とこれが一番だが「趣味の追求」のためこいつに変えた。





















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ということでショップから連絡があり交換に赴いた。
私はパンク修理とブレーキ調整以外できない。バイクは今の状態に満足しているので自分ではあちこちいじりたくない。だからそういった練習する機会がないからできないのだ。

でも困ることはない。ショップに買い物などの際に見てもらう。例えば今日みたいな時についでに全体をチェックしてもらう。阿蘇を猛然と下るので整備不良で怪我なんて馬鹿らしいから信頼のおけるプロに見てもらう。かかりつけの医者みたいなものだ。



















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後輪のブレーキパッドがそろそろということで早めの交換、「何もないです」と言われるとなぜか残念な気持ちなる。このくらい消耗してたほうが胸が高鳴るものである。走った痕跡のようだから。
ハンドル付近チェックしていたらステムのボルトの緩みが発見された。幸運だと思った。締めてもらう、ここは力の入れ加減が難しい。カチャ、カチャと締めて、最後に真上にあるネジもキコ、キコと工具で締めてもらう。

「はい、これで大丈夫!」と太鼓判押してもらってた。





















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ロードバイクで事故したら死ぬことだってある。整備は完璧にしなくてはならない。私は信頼のおけるショップの信頼のおけるメカニックに見てもらう。専属医に定期検診してもらうようなものだ。命を預けるからそうする。
去年阿蘇で落車した左肩はまだ痛い、濡れた路面と下りのキツいコーナーでの事故だった。対向車がいたらどうなっていたかわからい。原因は慣れによる怖さ知らずの危険な走行である。ショップでは初心者の走行会が催されているところがある。乗り方とマナーと怪我しないように教えてくれる大事なものだ。私はそれに行かなかった。やっと最近になり手信号とかするようになったり、落車して下りは特に慎重になった。これからロードバイクを始めようと思う方、まだ始めたばかりの方、ショップ開催の「自転車学校」は必ず行くものです。事故経験者の説教です。そのためにも走行会や初心者教室が開催されているショップを選択すべきです。まずはそこからスタートです。値段じゃない。

  1. 2011/10/21(金) 19:03:51|
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心の健康のための武器

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陽が部屋に射すと窓からは青空が広がっている。今日はちょっとばかり用があったが、
雲ひとつない晴天に・・・・負けた。
17日深夜BS-TBSであった高千穂遥さんに影響されたこともないわけではない。

高千穂さんは1951年生まれで今年還暦の60歳、ちょうど10年前作家という仕事柄運動不足の解消にと自転車を始めた。すると、2~3ヶ月で尿酸値と血圧が正常に戻り、1年後には84キロの体重が60キロに、体脂肪率も24%から10%になった。
自転車を始めるにあたり、引き返せないところに追い込もうと高いバイクを買えばやめれないだろうと当時ランス・アームストロングが乗っていたトレック5500を思い切って買った。乗った瞬間にこれだと開眼し以後1日2時間乗るようになったという。
そして、健康のための自転車から、心の健康のための武器となった。


今日も産山・波野エリアに行く。
9時30分出発、まずは北外輪山の北山展望所を目指す。




















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387号ばかりでは退屈なので、竜門ダムの麓の村をのんびり走り「水の道」で387へ出て、立門からオートポリスに続く205号にした。この道は車も少なく右側は川で菊池渓谷のような広葉樹と苔むした岩の脇を清流が流れて気持ちが良い。すでにやや紅葉した木々も見られ、落ち葉をタイヤでサクッサクと踏む音は秋を先取りした気分になる。オートポリスが近づくとサーキットを走る2輪車の強烈なエンジン音が谷にこだまする。平日はメーカーのテスト走行が多いと聞いたがエンジン音は1台もしくは2台のようなのでもしかしたそうかも知れない。メインゲート通過、付近は誰もいない。広い道、広い駐車場、広大な敷地が貸切だ。
ここから激しい上りだ。自転車を始めた最初の頃は急過ぎて蛇行しながら上っていた。今もキツいがそれはない。知らぬうちに上れるようになった。中腹からはサーキットが見える。息抜きに良い。澄んだ青空にエンジン音だけが同じリズムで聞こえてくる。






















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頂上1015mはある。
ここから一気に下って45号に合流したらすぐに北山展望所だ。
先が見通せ気持ちがいいぞ!


















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北山展望所到着、気温14度。ここまで30キロ、直行より5キロ遠いが景色は濃い。

いつものところに何やら見られない案内板
「阿蘇草原のわざ」
3月に野焼きして9月に刈り取るまでの草原の1年が説明されている。




















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当時の藁(ワラ)の家、草泊まりといってちょうど今頃の刈り干し切りのとき、里の集落通う手間を省くため、草原に藁で小屋を造り家族総出で寝泊りしていたものだ。
けっこう広域に10軒ほど造られていた。眼下に広がる阿蘇平野とその先の阿蘇五岳の景色に当時を偲ばせる輝きを見せていた。先にバイクできたカップルが小屋の横に立ち阿蘇平野に向かって笛を吹いていた。哀愁というより甘美なラブソングのように聞こえた。

今、日本の風景の中で一番じゃないか。誰が考えたか拍手を送りたい。




















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大観峰を過ぎ、やまなみハイウェイから「草原の駅うぶやま」を右折し産山へ来るとタイムスリップしたような日本の村になる。


















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ダチョウ牧場?



















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観光用でなく家畜として飼われているらしい。
以前ダチョウの卵を食べたことがあるが、殻の大きさはソフトボールとハンドボールの間くらいではなかったか、殻は硬くちょっとやそっとでは割れない、玉子焼きにして食べたが問題はなく旨かった。餌となる飼料というものは必要なく、野菜屑や雑草などで飼育できるのでたいへんエコな家畜の可能性もあるのではと聞いたことがある。
もちろん肉も食用になるのはいうまでもない。
たまたまだろうが道端に飼われているのか不思議であった。


















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池山水源到着、村のはずれにあり手軽な水源地だ。




















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標高780mにある日本名水百選に選出の水源は湧出量毎分30トン、水温は年間通して13度~14度、水源地には地下から砂をまきあげ滾々と湧き出ていた。
白川水源はビィンディングで行く自信はないがここは気軽に行ける。何より人が少なく水汲みの年配者がほとんんど、サイクリングで立ち寄るには良い。阿蘇に来たら水は買わずに汲もう。自販機に行くべきコインは神社仏閣水源地の賽銭箱だ。





















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村を過ぎたらミルク牧場を左に阿蘇やまなみGC&リゾートホテルに曲がらずまっすぐ行くと草原の道となる。
今日は平日なのでポルシェもアルファもスーパーセブンもいない。ロール状に丸められた切り干しを無造作に載せた農家の2トン車が藁を飛ばしながらごく稀に走る程度、数キロに渡って貸し切ったようなものだ。
だから標高800mでこんな遊びもできる。























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見渡す限りの大平原、波打つ草原を青空に向かって上る、がむしゃらに上るとスイッチがはいる。
























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雲ひとつない晴天に負けてよかった!






















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上ったあとの下りは、頭が真っ白で、叫びたくなり、叫ぶ、

きままな風で奇声が波打つ、馬鹿みたいだが笑った、大声あげて笑った























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ここは心の健康のための武器を与えてくれる。

  1. 2011/10/19(水) 16:08:10|
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天気に誘われて

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波野の道の駅で見つけたパンフレット。

長崎・平戸・佐世保・西海を走るガイド付き2dayサイクルツアー、
「平戸・佐世保・西海ロングステイ観光圏事業」と「長崎県21世紀街づくり推進総合支援事業」という助成金による事業らしい。
ガイドとサポートカー付きとは・・・・





















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今日はあまりの天気の良さに、行くつもりはなかったのだが、つい、つい行ってしまった。



















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北山展望所は気温14度、冬用アンダーとレッグウォーマーは正解だった。
こういうものあるが先を急ぎ、標高800m付近をうろついて、





















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アゲインストで思いのほか疲れ、家に着いたらノビた。
風呂に入ったら沈まず浮いて、
・・・・・・今日は撃沈、明日に持ち越す。


  1. 2011/10/18(火) 18:19:45|
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開放弦の響きを聞きに

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ロングトレインラニン
トム・ジョンストンのラテンソウル的ギターと、
パトリック・シモンズのラグタイムスタイルのピッキングはドゥービー・ブラザーズの名曲となった。

トリプルギターの一人、ジョン・マクフィートはこの曲の秘密をこう明かした。
「開放弦の響きがこの曲の魔法のひとつだ」

サイモン&ガーファンクルのミセスロビンソンもそうだろう。
最近、BSでこの曲のフレーズを何気に耳にした。
片山右京さんの「自転車つれづれ旅日和」の番組紹介で流れていた。

いつまでも耳に残る開放弦の響き、草原の阿蘇を訳すならば今はこの音色だ。























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先日のコースを反芻するかのように逆周りで家内とドライブに行った。

まずは大津から俵山のトンネルを抜け南阿蘇村のパン工房グランツムートで小腹休憩。
ベーコンやチキンの自家製スモークが具材のパンがたまらなく旨い。





















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好みのパンを買ったら正面に阿蘇が見えるベンチが指定席だ。


















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山桜のチップでスモークされたベーコンが自慢、
あなたの思い込み以上に美味しい。

















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南阿蘇はトマトの産地でもある。
ちょっとピリ辛のトマトソースのパンは、唇や手を赤く汚しながら豪快にかぶりついたが一番旨い食べ方だ。




















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敷地内の燻製小屋からは、もうもうと香ばしい煙がのぼっていた。
さながら鰻屋のように食欲にスイッチがはいる。






















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高森を抜け箱石峠から波野へ下る。
南阿蘇ではソバはまだ白い花を咲かせていたが、ひと山越えたら実がついていた。



















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稲刈りもほとんど終わっている。

菊池では稲刈りのあとすぐに田をおこし肥料を入れ、すでに水田ごぼうの植え付けがもう終っている。





















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57号を渡り産山へ来ると大平原となる。左に久住連山、右に阿蘇五岳、周りは牧歌的景色が続く。気持ちのいい一直線の道は、標識の通り「牛馬優先」なのでスピードには注意しなくてはならない。
が、しかし、スーパーセブンやビンテージアルファ、ポルシェ911がぶっ飛ばしていた。ここに来たらその気持ちわからないでもない。今日は車だがやはり自転車が数段楽しい。


















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産山からやまなみハイウェイに出て黒川温泉を通り南小国へ着くとお決まりのTea room茶のこ。

サイクリングやドライブの立ち寄りにおすすめだ。
お茶とデザートとランチ、それに店の雰囲気もレベルが高く遠来からの常連が絶えない。
自転車乗りの主は店の宣伝はしない。だから情報誌には載ってない。なのでこちらで















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家内の今日のドライブの目当てはグランツムートのパンとこれ!

「和風モンブランとお抹茶セット」

見かけはこうで、中身はこうだ




















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茶のこさんの猫、玄関の横にうたた寝している。

名前がすごいぞ!














さ さ き さ ん・・・・・・・・・


「ササキさん」だ!






















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もうすぐしたらススキが金色に染まり山は赤く色づく。自転車のシーズンも終わりに近い。今日は15度だった。肌寒い。山の天気は今から厳しくなる。25日は沖縄の人と、30日は山鹿の人達と阿蘇へ行く予定だ。その間にもういちど開放弦の響きを聞きに行きたいと思っている。

今夜の銀輪の風は、「還暦ヒルクライマー物語 2011」として作家 高千穂 遙さんが出られる。
明日は片山右京さんの「自転車つれづれ旅日和」だ。何かいよいよ染まってきた。笑えるほど生活の中心になってきた。

気に入っていたサドルが擦り切れている。長く使った劣化と落車の傷、ザラザラしている。同じものに交換したいが廃版なのでそのまま使っていた。しかし、レーパンを痛めるので仕方なく似たやつを注文した。座り心地が気になるが、まあ、走っているうちに慣れるだろう。違う景色に出会えるような気もする。そうなると来るのが待ち遠しいものだ。

日日是好日


  1. 2011/10/17(月) 12:14:47|
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沢野ひとしさんの本

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先日、鞍岳上ったあと牧場の道でパンク、それもタイヤも裂けたので無念の交換となった。
絶対的な信頼のタイヤだけにショックだが新しく敷き詰められた鋭利な砂利だから仕方がない。

このタイヤを使い出したのは昨年一緒に阿蘇を走ったファンライドでお馴染みの写真家小野口建太さんが使っていたからである。
パンクに強くて経済的、交換は二つのディンプルが目印のおすすめ品。

交換前べランダでしばらく愛犬ミラノの枕となりそのあと装着、
心強いマジナイとなる。
チューブはパナのあえて23~28Cで保険担保。























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沢野ひとし、知ってる?

週刊誌で連載の椎名誠さんの挿絵の人、イラストレーター、エッセイスト、絵本作家、登山家であり、著作の「山の劇場」「休息の山」は山に登ったような、キャンプに入ったようなそんな気にさせる私の絵本という存在。
だからいつも身近なところにある。

「昼寝主義」は沢野さんの家庭での出来事を日記風に書いたものだが、奥さんは教員、長男は茶髪のとび職人、本人は自由業ゆえ掃除・洗濯・料理担当で昼間から酒を飲むダメおやじ・アル中と家庭ではそんな烙印を押され、家族間における愚痴やののしり、崩壊寸前の争いごとを隠さず常に受身で書いてあることが爽やかに感じる。


本より抜粋
「妻と息子は、食後にスイカを食べはじめた。そういえば、二人ともトウモロコシやカニ、貝類といった、食べ終わったあとで散らかるものばかり食べたがる。その点、酒はいい。せいぜい、空き瓶や空き缶が出るだけだ。「そうやって、よくも毎日飲めるものね」と妻が言えば、「仕事もしないでな」と、息子も声を合わせた。僕が「昆布の佃煮に手をのばすと、「あら大根おろしだけで食べるんじゃなかったのかしら」と妻が言った。僕が犬を見て「犬はいいなぁ」ともう一度つぶやくと「本当にこんな人もうイヤ」と妻は言い、横で息子が「別れれば」とぽつりとつぶやいた。

でもほほえましいんだな。

一家に一冊、ぜひ。
  1. 2011/10/14(金) 23:57:39|
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わたしの開高健

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装画は柳原良平さん

これは今年の5月に刊行された開高健さんを綴ったものとして一番新しい本だ。

筆者の細川布久子さんは大学を留年し無為無策のまま行く末を思案していたところ、開高健著「夏の闇」を読んだことで開眼し氏に魅了される。本屋で偶然出会った<開高健編集>の雑誌「面白半分」を見て面白半分社へ飛び込みで面接に行きアルバイトで勤務するようになった。

その後、開高さんの担当編集者となり以後10年間に渡り私設秘書的な用も任され一緒に食事にお付き合いしたり買い物や銀行口座の管理まで身近に開高さんに接してきた人だ。この本はそういう立場にないと見えない開高さんの素顔やエピソードが書かれた貴重な内容となっている。


昭和34年、小説家を目指していた文筆家の菊谷匡祐さんは、開高さんの「流亡記」に圧倒され作家を断念、「開高健を鑑賞する側にまわろう」と決心し以来30数年「オーパ!」取材にも同行するなど交流を続け「開高健のいる風景」を書かれた。菊谷さんが表の開高さんを知る人ならば細川さんは女性的な視線で開高さんを知る人だ。



1997年12月下旬、細川さんが雑誌の仕事で世界一有名なのに世界一見学が難しいワイナリー、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)、そう、あのロマネ・コンティのオーナーにインタビュー行ったとき次の質問が指示されていた。

「過去に多くの人がロマネ・コンティをさまざまなかたちで誉めそやしています。一番お気に入りの評価は?」

オーナーのヴィレーヌ氏が応えた。

「日本の作家の小説『ロマネ・コンティ1935年』です。このヴィンテージはもはや存在しないし、我々も味わったことがありあません。しかしこの小説を通して、完璧に、細部まで味わうことができました。ワインを味わう喜びを共有する最上の有り様が描かれていましたね」

「小説のなかで、フランソワ・ヴィヨンの詩を引用してワインの状態を描写していますが、いかがでした」

「見事な比喩です。マニフィック。もしあの小説を読まないでいたら、我々はついに1935年を知らないままだったでしょう」

細川さんは公の席で初対面の人に開高さんのことは話したことがない。しかし、ヴィレーヌ氏の単なるお世辞を越えた真摯な声を聞いているうちに、自分の師であることを告げ、生前の作家に報告できたらどんなに喜んでくれたことかと興奮に突き動かされ禁を破ってしまった。いとましようと腰をあげたときヴィレーヌ氏が声をかけ、

「よろしければ酒庫(カーブ)をご覧になりますか」




1本3桁はする貴重なロマネ・コンティを次々に試飲し、本来ならば一口二口の試飲には充分で、グラスに残ったワインは樽の中へ返すものとされいる。ヴィレーヌ氏も樽へもどしていたが、細野さんは特別に許可をもらい最後の一滴までなめるように飲みほした。

「本当にありがとうございました。ロマネ・コンティを試飲させていただいたことは、私にとって何ものにもかえがたい最高のクリスマス・プレゼントです」

ヴィレーヌ氏がつぶやいた。

「サンタクロースは貴女のセンセイかもしれませんね」

  1. 2011/10/13(木) 16:15:31|
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記憶をたどる料理

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さばの胡麻醤油、ひと仕事によって旨さが凝縮される庶民の味、

盛り付けは、高くすると涼しく見え、低く広がりを見せると暖か味を感じると何処かで聞いたことがある。
夏と冬では盛り付け方も意識することも大事かも知れない。

ここは自遊亭、一工夫を期待して裏切られたことはない。
居酒屋とはそもそもその地域における家庭料理の延長だと思う。家の料理を遥かに超えるからこそ通うものである。よそに行って店を見つけるときは古い店にする。新しい店は固定費部分の償却ができていないので原価がつらいと読む。古い店はそれがない。加えて長く続く理由が安心できる。



















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主が小さいとき食べたものを出す居酒屋が好きだ。
自遊亭の出は有明海沿岸なのでテーブルに置かれた「今日の献立」にたんに刺身じゃなく海の幸が混じるところが好きだ。
きっと祖父母の想いがアサリの酒蒸しでさえ生かされているのだろうと感じる。それは沁みる味だから。




















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イワシのフライ、天ぷらでいいのだが主はフライと書く。
私の父は戦争から帰って油屋を始めた。なたね(アブラナ)の種を自宅に併設した小さな工場で絞る製油場していた。それは白絞油といって何も混じらない自然なものだった。いつも新たらしい油で揚げ物を食べていた。
自遊亭のフライは上質な油であることは間違いない。加えて天ぷらは簡単なようで奥が深く専門の職人もいるくらいだ。経験については知らないがここの天ぷらは旨い。間違いなく旨い。

製油所をオイルショックのとき閉めたが今でも工場で作られる油の香り忘れることない。自遊亭に来るとその懐かしい想い出が重なる。母には悪いが当時の我が家の天ぷらはこんなに美味しくはなかったように思う。

  1. 2011/10/12(水) 19:50:36|
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阿蘇サイクリング物語

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ラピュタと雲海に浮ぶ阿蘇五岳、

それは『G線上のアリア』が聞こえてきそうであった。




















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みなさんと阿蘇を走ってきた。

女性サイクリスト2名はいずれも奥様であり、お二人の企画による阿蘇サイクリングであった。その他は、失礼ではあるがトボトボとご主人があとに続き、私を含めた知人3名もその行動力に押されてついてきた、と極端に言うとそういうことだ。

奥様2名は地元熊本で俵山をホームコースとしレース志向のえちゅこさん、それに福岡在住で阿蘇を攻略しつつあるコルナゴ乗りでいつか追い越されそうなひろまみさんである。コースはえちゅこさんご主人のpingさん設定、厳しい上り坂の果てに仙境の地を想わせる自転車乗りにとっての桃源郷をプレゼン。女性2名は危険箇所を回避するためにもグループ最後尾につけ、ガーミンでコースを確認するという、さながらエスキモーの犬ぞりを想わせるようでもあった。

「はな阿蘇美」をスタート・ゴールとし、連休のなか福岡への帰着を考慮して8時出発14時30分着予定。
コースは走行距離90キロ、

ラピュタ~ミルクロード~大観峰~やまなみハイウェイ~産山村~波野村~箱石峠~一の宮昼食~国造神社
























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一昨日の酷暑となると思いきや内牧は霧に包まれていた。
しかし、ラピュタを上りはじめる霧も消え幻想的な風景が現われ、自称「天空の峠」たるものであった。




















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静寂に包まれている。吐息とタイヤが荒い道を蹴る音だけが聞こえる。
















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うしろを振り返るとこんなに上ってきたとわかる。力が湧く。

もう一度振り返る。




















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波が引くように外輪山から少しづつ、少しづつ消えてゆく雲海、めったに見るチャンスはない。






















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全員頂上に着く。たまらない達成感と雄大な景色、ウィンドブレーカーから滴る汗に思わず寒さを覚える。

ここからミルクロードを走り大観峰に立ち寄る。いつも人が多くて普段絶対に行かないところだ。




















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大観峰では中国人観光客から質問攻め。


UCIのパット・マックエイド会長も「大成功だった!」と振り返るツアー・オブ・北京。

同時にジロ・ディ・ロンバルディアの日程を9月に移すと発表した。シーズン最終戦として親しまれて来たロンバルディアが世界選手権の翌週に開催されることで、今年初開催されたツアー・オブ・北京がシーズン最後のUCIワールドツアーレースとなる。

ここにも中国の進出が迫る。




















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ミルクロードからやまなみハイウェイを通り産山村、それを進むと町村合併で消えた一の宮町の標識、しかし阿蘇神社の界隈は現在一の宮という、よくわからない一の宮。

ここに来ると左に阿蘇五岳、右に久住連山、

そして前後は、





















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地平線、
大草原を進むコースはpingさんのお気入り



















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大草原のあとには丘陵地となる。
次々にあらわれるアップダウンは体力を消耗させる。
丘陵地・・・・・・そこは名前が示すとおり、波のような野原、波野村になる。

そば畑が広がる。目印となるものがないのでガーミン頼りで田舎道を走る。大きな道に出たと思ったら265号だ。ここから宮地まで下る。初めての箱石峠ダウンヒル、目が醒めた。




















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えちゅこさんおすすめの阿蘇神社境内近くのFurukiya Cafeで昼食。
何とワンコイン500円ジャストでビーフシチュー&サラダ&ドリンク、そしてパン食べ放題ときた。
パン屋の姉妹店がなせる技、サイクリストと主婦の鋭い両目での選択肢。

















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自転車7台は指定されたところへ、ジャージにヘルメットにビンディングで入店可。
500円は納得の前払いシステム、ドリンクは数種類から好みをチョイス。




















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パンはバイキング式、さすがパン屋だけあって出来たてが並ぶ。一口サイズにカットしてあるのでたくさんの種類が食べられるもの評価大。バタージャムもあるがビーフシチューに浸すのも旨い。


















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昼食のあとは連休の人に溢れる阿蘇神社ではなく、外輪山の麓のひっそりとした国造神社へ。
阿蘇に来たらここは押さえたい。
観光も兼ねてみなさん満足の様子。




















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予定時間に到着。pingさんの計算されつくしたコースはいうことなしだった。起承転結のある物語のようにさえ思えた。スタートゴール地の「はな阿蘇美」を基点に円状のコースは、天候や都合で途中離脱もでき難易度のゆとりも計れる。それにゴールのあと昼食や観光案内所、トイレなど一通り揃っており非常に便利であった。産山や波野はほとんど走ったことがなかったのでいい経験になった。今まで阿蘇と言えば峠越えにこだわっていたが車の少ない大草原や丘陵地は発見だった。

案内される側での阿蘇、コースだけではなく細やかな気遣いに感心した。生徒のような気分で楽しめた。サイクリングを通じて多くの人に阿蘇の魅力を知ってもらわなくてはならないと日頃考えていることから得るものが大きかった。草原を守るためにもこの地で遊ぶことも大事だ。



今回の同行のみなさんには感謝申し上げます。
できればまたご一緒したいと思っています、ありがとうございました。

  1. 2011/10/11(火) 18:21:19|
  2. ロードバイク
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初めてのロードバイクがウィリエールなんて素敵じゃないか!

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宮本利徳さんのサイクルショップ、『クロスロードバイシクル』が10月1日にオープンした。

場所は熊本と福岡の県境にある大牟田市で、ロード、クロス、マウンテンなど扱うスポーツサイクル専門店だ。ウリはなんと言って宮本さんの人柄で初心者でも気軽に相談できること、それに売って終わりじゃなく、定期的に開催される走行会で乗り方やマナーも教えてくれる。私のブログに登場する多くが宮本さんの友人や知人で、走行会にはご一緒したりお手伝いもされるらしい。もちろん私も阿蘇方面だったらご一緒したいと考えている。

一対一で懇切丁寧に接遇される初心者大歓迎のショップの反面、宮本さん自信ロードやMTBの豊富な経験と実績があり2台目を考えている方にもおすすめだろう。のちに訪れるメンテナンスや異音の悩みにもその人物像は裏切ることはない。






















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平成23年8月22日熊日新聞掲載

「五木村のMTBレースを復活を呼びかけ企画した玉名市の会社員宮本利徳さん(42歳)」と紹介されているのが本人だ。このときはまだ「会社員」だったが自転車を通じて社会的にも貢献する実績は脱サラ後に店を始める大きな信頼となっている。






















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大手ショップのように実車が豊富にあるわけではない。10万以下の入門車が多い。それもウィリエール中心というのが個人的には気に入った。今年もランプレでジロやツールを走ったし、パンターニやシモーニ、クネゴバッランなどそうそうたるトップライダー駆ってきた。しかし実車を置く取り扱い店は少ない。創業100年以上のイタリア老舗に目を付けられたのはさすがだ。今月21日から宇都宮で開催されるジャパンカップにもランプレが出場するしタイミングといいウィリエールの選択は賢い。






















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小物も揃う。

簡にして要。





















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熊本の老舗ショップで10年以上の経験は頼もしい。

















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福岡県大牟田市にスポーツサイクルプロショップとして2011年10月1日オープン、
X-Road bicycle クロスロードバイシクル
電話 0944-88-9191

入門車がウィリエールなんて素敵じゃないか、2台目の候補としても有力、コルナゴもいいがウィリエールにも憧れる。

ジャパンカップの行方も気になるところだ。

  1. 2011/10/10(月) 07:34:21|
  2. ロードバイク
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稲穂とソバの花は今が盛りの阿蘇サイクリング

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黄金色に輝く稲穂と、真っ白い花をつけたソバの絶妙のコントラストを見に阿蘇へ行ってきた。

ほんとはもう少し早めがよかったのだが、稲刈りの風景とワラの匂いも懐かしいので今日にした。明日でも明後日でもいいのだが3連休は車で溢れかえり田園風景などあったもんじゃない。特にこの数年で南阿蘇は自家用車が多くなった。北阿蘇は昔から貸切バスが多かったのだが最近はそうでもないような気がする。郵便局の簡保の旅行なんかもなくなったし、会社の慰安旅行もそんな時代は終った。個人もしくはグループでしか動かない。団体は修学旅行と韓国や中国だけじゃないのか。自転車で阿蘇に行くたびにそう思う。





















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外に出たらかすんでいる。ひどく霞んでいる。このカスミようはひどいな。黄砂か、今日の景色はダメだ。
それにこんな気色の悪いことも指摘されている。
やめようと思ったが「絶妙のコントラスト」に
負けた。




















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今日は二重の峠を越えて阿蘇パノラマライン(県道298号)で阿蘇火口だ。57号の298の入り口から火口まで16キロ、猿回し劇場やファームランドの横を通る道は平日でもさすがに多いが、ファームランドを過ぎるとそうでもない。その先に今は「くまもと阿蘇CC」と言うらしいが「馬の背」の名コースが懐かしい。左にゴルフ場を眺めながら進むとススキの草原になる。もう少ししたら金色に輝くはずだ。まだ早い。スズムシの音が聞こえてくる。それほど車が少ないということだ。坊中から阿蘇山頂へのメインルートもいいがこっちもなかなか。




















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となりでバイクの人が同じことして写真撮っていた。

微笑ましく挨拶。


















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ここでメインルートのパノラマライン県道111号と合流、頂上まであと5キロ。
汗をかくが寒い。
スキンズに長袖ジャージ、下はレーパンだけ、次に来るときは起毛ジャージ、もしくは冬用アンダーにレッグウォマーだな。それにしてもスキンズはいつまでも乾かなく、寒い。
セカンドウィンドの半袖のジャージ、あんなものがいい。






















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草千里はパスして阿蘇山公園道路へ、車500円、自転車無料。この坂はメーター見る気持ちも失せてしまうほどの勾配なのだが今日はずっと見た。半分を過ぎると8%、9%、10%となり、14、16、19、21・・・・しまいには24%と出たがホントだろうか。上りで勾配の一番きついところが左曲がりになって下りのとき同じとろこ(上りの右側)が20%だったのでくらいあるのかも知れない。

遊歩道を歩く韓国のおばちゃんグループから「・・・・・・・・・!」と間違いなく
「頑張れ!」であったはずだが、くじけるような心に気持ちのよいものであった。

日本の人は当然いつもながら無視。
ここが阿蘇火口なので自転車で来る人は「変な人」と見えたのだろう。




















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火口で物売りのおばちゃんと話した。
「客が少ない。あっちの人ばかり。売れない。最近ガスが出るのでここは立ち入り禁止なることが多い。」

ガスが出ていたのだろう。みんな咳き込んでいる。口をハンカチで覆う人もいる。
私はなんともなかった。





















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帰りはウィンドブレーカーを着て吉田線で南小国へ。

久木野では稲穂とソバの花が満開で予想的中、見事なコントラストだ。
霞みがなかったら阿蘇山がバックでこれぞ阿蘇の風景なのだが今日は仕方ない。
俵山上ったら家までずっとウィンドブレーカーを着ていた。
暑いときはチャック外すと問題ない。
しかもウィンドブレーカーが風になびいてジロやツールの山岳走るプロみたいじゃないかと一人ほくそ笑んでいた。

阿蘇はいよいよ、いいぞ。




走行距離 105キロ
走行時間 5時間10分


  1. 2011/10/07(金) 19:25:33|
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静寂な淵で見つけたもの

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昨晩の菊池を震源とする地震は震度5、しかし数秒だったので「地震だ」と気づいたときには終っていた。
自転車仲間から安堵のメールには感謝の気持ちでいっぱいだ。

さて、おすすめの本二冊の紹介。

星野道夫の「イニュニック アラスカの原野を旅する」
イニュニックとはエスキモー語で「生命」の意味、

先日、92年に急逝した歌手の尾崎豊の番組がテレビに流れていた。私は亡くなってからしか彼のことも彼の歌も知らない。その後曲を聞いて稀な才能を持った人だと驚いた。星野道夫も同じである。96年、カムチャッカで熊に襲われ世を去り、その後神格化された星野人気が起こったらしいが私が彼の本に触れたのは亡くなってからである。星野のことについては以前にもここで書いたので省略するがアラスカの大自然を写真と文章でまるでそこにいるかのように感動させそれは俗に言う「癒し」を与えるものではないかと思う。

以下、柳田邦男氏の解説
写真家・星野道夫氏は、アラスカに身を投じなければ記録することができないシーンをカメラでとらえるのと同時に、アラスカの森に棲み、嶮しい山や谷や森を探検し、大自然の動物たちや化石に遭遇するなかでしか湧いてこない思い、すなわち言葉を、つぎつぎに書きとめた。写真がジーンの発見であるかのように、言葉は思索の発見である。星野氏においては、写真家は写真で表現すればいいなどという狭い枠組みは、全く無意味だったろう。彼にとって、写真と言葉はそれぞれに独立した不可欠の表現手段であると同時に、共鳴し合いそれぞれの意味づけを二乗倍深め合う表現手段だったのだ。

二十一歳で親友の山岳遭難という事件を契機に、大学のキャンパスを「もう自分の属する世界ではない」と感じ、テニスラケットを抱かえて談笑する学生も立て看板を前にアジ演説をする学生も別世界に見えるようになったという若者が、動物写真家を志し、かって十代にエスキモーの家族と一夏を過ごしたアラスカに舞い戻り、結局棲みついてしまう。そして、九十六年八月に取材先のカムチャッカでクマに襲われて九逝するまでの約二十年間、極北の風の中に自分の全身体をさらして人間と自然の原風景を追い求め続けた写真家の到達点を思うとき、その男が「森と氷河と鯨」のなかに引用したカリブエスキモーのシャーマンの言葉が私の頭の中に響いてくる。

<唯一の正しい知恵は、人類から遥か遠くから離れた大いなる孤独の中に住んでおり、人は苦しみを通じてのみそこに辿り着くことができる。>
これはまさに星野道夫氏の「生と死」の道程そのものではなかったか。





















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開高健の「ロマネ・コンティ・一九三五年」
これは六つの短編小説で表題もさることながら「玉、砕ける」は世評も高く、優れた短編小説に贈られる川端康成文学賞を受賞した。

舞台は香港で開高さんがもっとも好きだったところでその理由については「最後の晩餐」に以下のように書いてある。

「海外へでかけるときには行先地がどこであってもたいてい私は南回りの線を選び、香港で途中下車することにしている。アチラから帰ってくるときにもそうすることにしている。香港で三日か四日ぶらぶらして澡堂(銭湯)に入ってみたり、季節の異味、珍味、魔味を探求したり、知人とお茶をすすって雑談にふけったりするのが愉しいのである。澡堂ではあんまが絶妙で、菜館では上海の蟹が絶妙で、知人の話では慣用句や諺が絶妙である。・・・」

絶妙で、絶妙で、絶妙なわずか15ページの珠玉の短編は、アメリカの大学で使われる副読本として編まれた世界名作短編集「To Read Fiction」(ホルト・ラインハルト社)に、モーパッサン、メリメ、チューホフ、カフカ、マルケス、へミングウェイにまじり、Takeshi Kaiko "The Cruushed Pellet"としてアジアでは一人だけ選らばれている。

ところで、「玉、砕ける」の玉というのは垢の玉である。アカスリに行くと体中をゴシゴシとこするとびっくりするほど垢がでるがそれを丸めたものである。






















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4日に録画した「自転車つれづれ旅日和」を見た。片山右京さんがナビゲーターとなり毎回ゲストを迎えて日本各地を旅する番組だ。その初回は元宝塚の姿月あさとさんと松本~安曇野を旅するものであった。

いい番組だった。
右京さんの子供の頃から持ち続けた冒険心が伺え、心の傷も上手に整理した姿にほっとした気持ちになった。

これを見ようと思ったきっかけは予告編で流れたサイモン&ガーファンクルの曲だった。久し振りだった。一瞬なのにいろんな想い出が湧いて出た。番組でも効果的に使われていた。深夜酒を飲みながらCDを聞いた。遥か中学生のとき、同じ曲、同じフレーズに酔った。CDジャケット裏の写真を見ると見覚えのある二人がいた。横向きのアートガーファンクルの靴、リーガルのバックスキンは少年も買ったのを想い出した。
  1. 2011/10/06(木) 12:27:48|
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静寂の淵を求めて

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「バサッ、バサッ」と体に当たる。なかにはホイールに巻き込まれるものまでいる。
終焉を迎えたトンボが慌てて交尾相手を探しているのだろう。この時期サイクリングをしていると出くわす光景だ。

20代の頃はよくキャンプに行った。
山女魚釣りにのぼせていたので、五木・五家荘に休みのたびに通っていた。山は10月になるとすっかり景色が変わる。日が暮れだすとジャンパーやセーターを着込み暖をとるため焚き火を囲む。夏、あれほど飲んでいた缶ビールに代わりワインや日本酒を飲みながら釣った山女魚や肉を焼いて楽しんだものだ。

腹も満たされ焚き火も静かになるとウィスキーになる。映画や小説のような雰囲気に身を置いたそんな特別な時間を過ごした。ウィスキーは選んだ。月に一度は遊びにくる伯父がウィスキーやワインが好きだったので土産に貰ったものをキャンプに持ち込んだ。ワインは必ずドイツの白、ウィスキーはほんどがグレンフィディックだったと記憶する。山で飲むシングルモルトは仲間達の口をも塞いだ。

「旨いな、普段はストレートなんか強くて飲めないけど、山だとこれだね。」

「ああ、スコットランドの樽で10年とか熟成されたわけだろう、奇跡だよ、貴重なんだ。」

へミングウェイと開高健に包まれた独身だったから給料はすべてその延長線上に費やされた。釣り道具と屋外生活遊び道具のすべてに。

キャンプは10年以上行っていない。行ったら楽しいだろうとは思うがそこに至るまでが面倒だ。
この時期、夜になると山が恋しくなる。家人が寝静まった頃を見計らいベランダでシングルモルトを飲む。胡坐かいて夜空を眺めるとフェンス越しになるのでさながら囚人のようでもある。ぜったい見られたくない私の風物詩だ。
  1. 2011/10/05(水) 12:46:19|
  2. その他
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いい男になりたいならここだ。

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問題を解決するためには、最初に「何が問題なのか」を明確にするステップが不可欠であり、問題の明確化自体に大きな価値がある。
最初に必要なのは「問題の定義」なのだ。

























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創業40年 カットクラブ・ドバシの店内です。

バイクはここの装飾品


以下HPより抜粋














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『おかげさまで県内はもちろん、県外からも沢山のお客様の「行きつけの店」にしていただいています。』




















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『髪が伸びたから切りに行く」だけでなく、ご来店いただくたびに何か「新しい自分の発見」があるといったような…「私は髪を切ってもらうのはこの人と決めている」とお友達に自慢できるような「行きつけの店」になれるよう日々精進しています。』























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『お客様の髪質や毛量・毛流などを考慮にいれつつ仕上がりの質感にこだわりお客様が手入れのしやすいようにカットしていきます。パーマやヘアカラーも得意としておりますので、髪や頭皮のご相談などとともにご要望はなんなりとお申し付けください。』





















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「今度は自走で来て下さいよ、バイクは鏡の横に置いて、愛車を眺めながらもいいものですよ」
カットクラブ・ドバシはそんな店です。
悩ましい髪形、必ず似合うようにしてくれます。
遠来の方、熊本土産はここです。




店主温厚、毎朝金峰山、居心地満点、一対一接遇、料金普通、完全予約、色男効果絶大

土橋塾 自転車競技部塾長の店 カットクラブ・ドバシはあなたの見方です。

  1. 2011/10/04(火) 12:48:05|
  2. ロードバイク
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熊本サイクルフェスタ

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日本選手権競輪プレイベントの熊本サイクルフェスタ(九州地区プロ自転車競技大会KUMAMOTO CAP2011自転車競技大会)に熊本競輪場に行ってきた。
競輪場自体が全くの初めて、ルールが分からないし、何があるのかすら知らない、ただターザンさんから福島さんが出場されることを知り、バンクも見たことないし一度行ってみようと家内と足を運んだ。

会場入口でスケジュールを確認すると抽選会があり、賞品は偶然ながら英彦山と同じアクオス32型、抽選券をもらい競輪場へ行くと金網越しのバンクの傾斜は想像以上だ。

それ以上に驚いたのが競輪選手の体型、全体が筋肉の塊まりのようで全てが太い、円盤投げや重量上げ選手のよう、自転車の後輪はディスクホイールでハンドルもロードと違い丸い形状のピストバーだ。


















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しばらくしたらアマチュアのレースが始まる。高校生が多いようだ。九学や千原台の選手に混じり福島さんを発見、来週からスポーツマスターズ日本代表としてロンドンで世界戦に挑戦の果敢な54歳。


















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集団で通過するときの迫力には圧倒された。ディスクホイールが唸り、バンクの天辺まで駆け上がる。応援の掛け声もそのタイミングも独特で非常におもしろい。




















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レースを終えたCC Max


















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福島さんだ。

50歳代の見本だな。仕事をしながら毎朝の練習の積み重ねが世界へ通じるものになる。サイクルスポーツの歴史や認知度の違いからアルカンシェルは無理かも知れないが、福島さんの挑戦する意欲、のちに語られる体験談はあとに続く人達にとって貴重なものであろう。

聞いて驚いたのは、大会のことすべては自分ひとりでしなくてはならない。協会からのサポートは一切無く、イギリスから英語でメールでやりとりし、自転車の持ち込みも整備も、航空券や宿の手配も支払いも自前。そういえば5月に一緒に阿蘇を走る機会があって、福島さんの車に乗せてもらったら英語のレッスンが流れていた、「仕事のためですか」と聞いたらこの大会に備えてだった。

テレビが追っかけ取材したらいい番組になるだろうな。それこそもったいない。



















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16時から抽選会が始まる。今までクジに当たったためしがなく当然ながらアクオスはおろかすべて駄目だった。
しかし、競輪場は大人の遊園地のようでレースを観戦するだけでも楽しそうだった。入口はこの辺だろう、やがて本来の楽しみに興じるのだろうが、子供のときから風船クジすら当たったことがない身なので見るだけが範疇だ。



今日はいい体験だった。これも身近な人がいてのこと。

ロンドンに挑戦する福島さんの健闘を祈るばかりである。

  1. 2011/10/03(月) 09:47:06|
  2. ロードバイク
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