
今月の宿の新刊
スタジオジブリの鈴木敏夫さんの話しは
ポッドキャストで毎回楽しく聞いている
鈴木さんの事細かな記憶力といったら
とても、古希とは思えないし
よく言われる人心掌握術や
豊かな知識と繊細な思考に長けた表現者だと思う。
なので鈴木さんの新刊「南の国のカンヤダ」
もう一冊は「旅する画家藤田嗣治」
絵については無知だが
1913年パリ、1930年中南米、1938年アジア
1949年NY、1950年パリ・・・を舞台に
藤田嗣治さんの「旅」によって結実した作品に興味あり

新刊は1階のバーラウンジ「灯火」に

外輪山では牧草刈りの真っ最中で
阿蘇らしい景色が楽しめる
早朝は5度を切るので防寒と
帰りの下り用にポケットには
2枚目のウィンドジャケットをお忘れなく

212号を上った山田駐車場が
覆われていた樹木を気を切って本来の展望所に復活
根子岳と高岳のビューポイントとなった
このように大きくなった樹木を切ることによって
もともとあった景色を再現できる
北イタリアに行った時
「この山をこの位置から見せたい」というところは
景色を塞ぐ木を切って眺められるようにしてあった
そこには看板もフェンスも注書きもなく
自然のままの立ち位置から眺めることができた
例えるなら・・・
狩尾峠、ラピュタかな

先日の劇場版を実体験する弱虫ペダルライドでは
産山のミルクロードや町古閑牧野道が大好評だったようだ
これからもそんな阿蘇らしいルートを
紹介したいものだと思っている
自分もこんなジャージを着れるなんて
いい刺激をもらったし
いつかは身にまとい走ってみたい

常連のスズキさんは4泊の九州旅でお越しになった
温泉旅館に泊まると
長距離走った疲れが驚くほど消えていくと言われた
温泉の持つ自然の治癒力だろうか
阿蘇の次は、宮崎、鹿児島、天草、長崎・・・の予定

横浜からお越しのコクツさんは今日から4泊の滞在。1箇所にじっくり腰を据え阿蘇を堪能される目論見だが、その応援としておすすめのコースを迷われないよう紹介しているが、昨日は茶のこさんでランチするまでに時間がかかり、マゼノ渓谷の紅葉は見られなかったそうだ。でも、まだまだ時間はあるので、今日は日ノ尾を挑戦されている。

東京からお越しのヤマグチさんは
たっぷり休暇をとっての九州旅
今朝はやまなみハイウェイで大分へ行かれ
あとは気の向くまま
リュックひとつで自転車を満喫されている

いよいよ9日から沖縄入りして11日がツール・ド・沖縄市民100kmだ。
家庭と、仕事と、身体と相談しながら、1年間完走を目標としてきたが、準備としては60%くらいか、でも特に故障もなく走れそうなので、ここまでの達成感は、そこそこというのが正直な気持ちだ。いずれにしてもリハーサルは終わりつつあるので五感で楽しんでこようと思っている。
沖縄本島の北部にある国頭村の民宿「やんばるくいな荘」に今年も2泊お世話になる。やんばるの森を走った9日の夕食は、高巣さんと二人なので宿の長女さんにお願いして、てびちやステーキを別注文しておいた(10日の本番前夜はキッズのメンバーと合流し静かな夕食となる)。この1年間、食事については自分なりに制限してきたが、ここにきて脂質はよろしくないんだろうが、練習が終わったお祝いとしてちょっとワープしたくなってこれもシナリオのうち、苦痛の際に思い出して、頭の栄養にという作戦なのである。
どうにもならんことはどうにもならん。
どうにかなることはどうにかなる。
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--- 漂えど沈まず ---
- 2018/11/06(火) 13:56:41|
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宿で使っている味噌と醤油類は来年創業100周年を迎える熊本市にある
橋本醤油さんの商品で料理に欠かせない調味料である。
橋本さんは味噌醤油の他に70年前から商品化されているのが甘酒で抹茶味は特に人気商品とお聞きした。元祖卵かけご飯専用醤油の元祖でもあり日本の伝統食文化を追求する老舗店である。
そして、今年9月にはイタリアで醤油の販売を開始されたというからびっくりだ。一般的な醤油は大手が販売しているので、イタリアに送り出したのはグルテンフリーの醤油(醤油風調味料)。グルテンフリーとは、グルテン(小麦タンパク)を摂取しないことで、体調不良に悩んでいたテニスのジョコビッチ選手のグルテンフリーダイエット(英語のdietとは食事法の意)により復調し欧米に知れ渡った食事法である。そこで橋本醤油さんが欧州に打って出たのはここに狙いを定め商品を開発されたという。
今でもよく通う熊本市の元紀伊國屋書店入口にある「
紅茶専門店コッツウォルズティールーム」では、橋本醤油さんの甘酒を使ったビーガンベリーパフェがメニュに加えられたそうだ。甘酒は飲む点滴といわれるように健康や美容に良く、特に乳製品の相性も良いことからプロテインと一緒に摂取するのもありかと思う。

今月の入荷本は「ラウンジバー灯火」に

東京からお越しののテツオさん
本業は東証一部上場企業の人事部に勤務し
そのかたわら自転車旅の楽しさを
世界中に発信する自転車旅フォトライターだ
大きなトピークのシートバッグには
SONYの一眼と替えレンズのみ
自転車旅の経験を活かして必要最低限の着替えは
フロントとフレームのオルトリーブバッグに収納

必要最低限の荷物には
自身の活動を紹介するセルフマガジンも

一見、若者へのメッセージのようだが
旅のスタイルを変えればすべての年代への提言
「徒歩やクルマの旅では味わえなかった
自転車旅だからこその風景
人との出会いがあなたを待っている」

阿蘇サイクルツーリズムで講演聴きたいな
自転車旅もだが
普通のひとり旅にも行きたくなりそうな
下記リンクからどうぞ
自転車旅フォトライターテツオのチャリバカ日記!特に
バイクパッキング大公開のエントリーは必見です。
FLUCTUAT NEC MERGITUR
--- 漂えど沈まず ---
- 2018/10/05(金) 12:09:23|
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5月5日の仕事からの帰り、212号からミルクロードに入って1キロ程で渋滞となり北山展望所まで延々の車列が続いていた。この区間が渋滞するのは初めての経験で、想像するに好天に恵まれたこともだが、熊本地震以降閉ざされていた阿蘇周辺の道や観光地の再開がその要因だったのだろう、それと好景気(メディアでは報じることが少ない失業率の低さ)も知らず知らずに背中を押してくれたのではないかと思った。
宿の方もフル稼働で震災以降少なくなったスタッフの代わりに、英語が堪能な中国の若い女性や、宿の顧客である陸上実業団が合宿するということから趣味がマラソンの鹿児島からの若い男性移住者、それに自転車が趣味の地元の女性に、ハーレー乗りの福岡からの派遣の男性という様々な顔ぶれでGWのお客さんを迎えることができた。
わたしはというと、長きに渡り温泉宿としてお客さんを迎えるには、温泉が枯渇しないよう無駄のない扱い方をしながら、温泉の持つ自然の治癒力を生かし、もっとも気温に適した温度で温泉を提供する管理人が必要で、宿ではそれを湯守りと呼んでいる。その湯守りは現在東京から移住してきた33歳のトーマ君が担当しており、彼が休みの時はわたしが代わって管理するため10日間連続宿に通った。宿の多忙さもあったが、この仕事ができるのは高齢の会長さん(館主のお父さん)だけになるので必然的に出番となったわけだ。
この期間、もっとも印象的で思わずスタッフ全員びっくりの笑顔になったのが中国の家族旅行の方だった。到着されてトランクから出されたのは、薄い紫の新品のランドセルだった。「・・・・」目が点になっていると、「この子のなの、包装箱に入ったままだと運ぶのが大変だし、子供がせがむので背負わせてるの」・・・子供さんへの日本の土産が、高級なランドセルで、中国で今トレンド的に流行ってるらしい・・・スタッフのひとりが呟いた 「あれ5万以上だわ・・・」
阿蘇内牧温泉に外国人の方が来るには、レンタカーや公共の交通機関になり、英語が話せないとまず無理である。宿は大型バスに添乗員付きの団体客が利用する規模や内容ではないので、少なくとも1人は英語が話せるFIT(外国人個人旅行者)がお客さんとしての対象になる。そこでスタッフと外国の方と英語で直接話すことによって、日本のお客さん以上にコミュニケーションが生まれることになり、このような会話の中で親しくなり顧客としてまたお越しになる場合が多い。これはスタッフも楽しいことでありGWの忙しい日々が続く中で大いに息抜きが出来た瞬間だった。
最後の日、軽のレンタカーで来られたフランスの若い女性3人組は、森閑とした杉の間や、野草の活花、スイレンが咲く池、それに利用時間が過ぎた男子の大浴場など一眼レフで撮りまくった挙げ句、片言の英語の会長さんと長いこと話されていた。笑顔が爽やかでスラッと背が高く温厚で、家紋をつけた紋付羽織の出で立ちという日本人が珍しかったのだろうか、そんな宿の日常に触れられだけでメルシーを連発し、満面の笑顔と感動のフランス語をまくしたて、暖簾をあとにされた。今までの経験からいくと、あのフランス人は絶対また来られるに違いないと思って見送った。
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--- 漂えど沈まず ---
- 2018/05/07(月) 17:35:56|
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弱虫ペダルファンの方から素敵なメッセージを頂いた
喜んでもらったようだが
今後とも期待に沿えるようお迎えしたい
ラピュタはダメになったがその代りとして
夜明け前のミルクロードや大観峰を取り巻く自然の荘厳さを
見逃されないよう、しつこく、これからも伝えていきたい
そして、いつの日か、あの雲海を見せてあげたい

サイクルスポーツの八重洲出版から
トヨタハイエースのカスタム情報が満載の「ハイエースファン」に続いて
また取材していただいた
今度は日産キャラバンの本格的ムック本「キャラバンファン」




宇土市にある「長部田海床路(ながべたかいしょうろ)」
海苔養殖や採貝の漁業を営む人たちの道で
満潮となると道が海に沈み
海の中に電柱が立ち並ぶ不思議な景色は
昼間は何度も見たことがあるが
このような夜明けか、日の入りの時間帯はより印象的だ
それに干満差が大きい有明海を
干潟で見せるのではない視点が面白い
FLUCTUAT NEC MERGITUR
--- 漂えど沈まず ---
- 2018/04/12(木) 16:50:25|
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あけましておめでとうございます
仕事は元旦、ブログは二日、自転車は三日より始動します
昨年は多くのみなさまに蘇山郷にお越しいただき感謝申し上げます
元旦より宿の宝である翡翠色の湯を責任をもって提供しております
今年もよろしくお願い申し上げます。

北出恭子さんの「九州絶品温泉 ドコ行こ?」より
「蘇山郷の自家源泉は浴槽に程近い場所から自噴しています。(現在はポンプも補助)あえて露天を造ったり大きくしないのは、湯量と浴槽のバランスを考えて源泉かけ流し100%にこだわりたいから。湯量豊富で泉温も適温という条件も重なり、浴槽には惜しみなく源泉そのままの湯が注がれて新しいお湯で満たされ、ドバドバとあふれ出しています。

陽光が差し込み、湯を照らして宝石のように鮮やかに輝き、光のスポットライトに浮かび上がる湯気もまた幻想的。
泉質は九州では少ない硫酸塩泉。美肌泉源で肌に保湿力を与え、ハリや弾力を回復してくれるアンチエイジングの湯です。余分な皮脂が取れてさっぱりサラサラになるので、ニキビ肌にも良し。鉄分や硫黄を含み、金気臭のするお湯の浴感はまろやかで、肌触りはさらっとしていながらも、手のひらで肌に触ると硫酸塩泉特有の張り付くベタベタ感が、湯上がりはとてもしっとりして温まります。」

村上春樹さんの「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」より
「どのような旅にも、多かれ少なかれ、それぞれの中心テーマのようなものがある。
四国へ行ったときは死ぬつもりで毎日うどんを食べたし、新潟では真っ昼間からきりっとした彫りの深い清酒を存分に味わった。できるだけ数多くの羊を見ることを目的として北海道を旅行したし、アメリカ横断旅行では数え切れないくらいのパンケーキを食べた。トスカナとナパ・ヴァレーでは、人生観に変化が生じかねないほど大量のうまいワインを胃袋に送り込んだ。ドイツと中国ではどういうわけか動物園ばかりまわっていた。
今回のこのスコットランドとアイルランドの旅のテーマはウィスキーだった。スコットランドのアイラ島に行って、その名高いシングル・モルト・ウィスキーを心ゆくまで賞味し、それからアイルランドに行って、あちこちの町や村をまわりながらアイリッシュ・ウィスキーを楽しもうと。それはじつに素晴らしいアイデアだねと多くの人が褒めてくれた。」
温泉を中心テーマにお越しください。
FLUCTUAT NEC MERGITUR
--- 漂えど沈まず ---
- 2018/01/02(火) 16:32:08|
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